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イベリス

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第百五話 何の為に学ぶかその十五

「ネットで」
「それで咲も知ってるな」
「ええ、そんなこともね」
「したらな」
「駄目よね」
「本当に漫画でな」
 こちらでというのだ。
「悪く描かれてな」
「笑う位でないと」
「自分をこう描いてるのかってな」
「思う位でないと駄目なのね」
「リア王だってな」
 シェークスピアの悲劇であるこの作品の主人公もというのだ。
「道化を置いていたけれどな」
「あんなに頑迷で意固地になっていたのに」
「まだ自分を客観視しようとな」
 そう考えてというのだ。
「傍にずっと置いてたんだ」
「そうだったのよね」
「あんな状況のリア王でもな」
 頑迷で意固地になっていた彼でもというのだ。
「まだそれをしようとして」
「やっていたわね」
「それをな」
「気に入らないこと書いたって」
「ランク付けなんてな」
「リア王ですらしない」
「そんな人間に投票なんてな」
 そして政党にというのだ。
「するものじゃない」
「そうなるわね」
「そうだ、それ位ならな」
「ましな人に投票することね」
「政党だってな」
 人だけでなくというのだ。
「いいな、そのこともな」
「覚えておくことね」
「そうだ、いいな」
「覚えておくわ、選挙についても」
「まだ先だと思ってもちょっとしたらな」
「選挙に行くことになるのね」
「そうなるからな」
 成人してというのだ。
「いいな」
「ええ、選挙のことも考えておくわ」
 咲は父に真面目な顔で答えた、そうした話をしながらそのうえで何かと考えていくのであった。


第百五話   完


                  2023・4・1 
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