星河の覇皇
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十四部第二章 交渉の用意その三十四
「国家予算の二割だ」
「それ以上となると」
「もう無理だ」
「他の分野の政策を圧迫しますか」
「既に圧迫している」
ギルフォ―ドはこのこともあっさりと答えた。
「連合の様にはだ」
「とてもですね」
「軍事費を少なく出来ない」
「その連合と対している為に」
「国家予算の二割はな」
「必要であり」
「そしてそれ以上はな」
国家予算の二割以上の軍事費はというのだ。
「無理だ」
「それはよく言われますね」
「軍事費は必要だが」
それでもというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「あまりにも多いとな」
その軍事費がというのだ。
「支出だけで歳入につながらない分野だ」
「それならですね」
「あまり多くの予算はな」
「どうしてもですね」
「割けない、やはり歳入につながる分野へ予算を配分する」
「そうしたいのが当然ですね」
「他に教育費も社会保障費もある」
この分野の予算もというのだ。
「こちらも予算の配分はだ」
「どうしてもですね」
「必要であり他の分野にもな」
「予算は必要であり」
「軍事費にこれ以上は避けない」
「それが現実であり」
「我々はサハラも敵に回してはならない」
軍事費のことを考えてもとだ、ギルフォードは話す。そうしてそのうえでモンサルヴァートに対してこうも言った。
「絶対にな」
「だから外交の用意を進めますか」
「サハラの統一は確実だ」
戦乱に覆われたこの地域がそうなることはというのだ。
「そうすればその統一国家とな」
「講和を結び」
「そうしてだ」
「サハラを敵でなくする」
「そしてサハラもだ」
ギルフォードはこの国の事情のことも話した。
「外交は双方の事情を理解してこそだ」
「ことを進められますね」
「自分だけの事情だけでなくだ」
それだけでなくというのだ。
「相手の事情も理解してだ」
「そうしてですね」
「ことを進めていきだ」
「こちらの利益を得るものですね」
「そして相手も利益を得る」
自分達だけでなくというのだ。
「そうするものだ」
「左様ですね」
「つまりこの場合はサハラも利益を得る」
「サハラの国益もありますか」
「サハラは統一するとだ」
「はい、統一したなら」
モンサルヴァートも鋭い目で述べた。
「サハラはまずは国家の土台を築かないとなりません」
「創業の苦しみが待っている」
「どうした国家にしていくか、そして国家運営の基礎を築く」
「それに専念しなければならない」
「それならですね」
「サハラも敵は置けない」
決してとだ、ギルフォードは断言した。
ページ上へ戻る