新オズのリンキティンク
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第六幕その六
「他の人達もなのね」
「こうしてじゃ」
「連れて来てくれたのね」
「左様、駄目であったか」
「いえ、お客さんは多い方がよ」
狐は笑顔で答えました。
「嬉しいから」
「だからか」
「歓迎させてもらうわ」
こうリンキティンク王にお話するのでした。
「私もね、そしてね」
「晴明さんもじゃな」
「勿論よ」
その人もというのです。
「ではこれからね」
「晴明さんのころにじゃな」
「案内させてもらうわ」
こう答えるのでした。
「今からね」
「ではな」
リンキティンク王も笑顔で応えてでした。
境内の社の前への案内を受けました、そしてです。
その前に皆と一緒に行くとでした、そこに黒と白の日本の平安時代の礼装を着て烏帽子を被った細面で切れ長の黒い目を持つ鋭利で知的なお顔立ちのすらりとした長身の若い男の人がいました。見れば驚くまでの美形です。
その人を見てです、アン王女は見惚れて言いました。
「いや、この人って」
「物凄い美形ですね」
クッキーもうっとりとして言います。
「すらりとして長身で」
「お顔立ちも整っていてね」
「知的で気品まであって」
「美形ね」
「全くです」
「あの、この人がですね」
ナターシャもその人を見てうっとりとしつつ言いました。
「安倍晴明さんですね」
「そうよね」
恵梨香はナターシャの言葉に頷きました。
「案内してもらったというと」
「いや、僕から見てもだよ」
カルロスもその人の外見に驚いています。
「物凄い美形だよ」
「これだけの美形なんて」
ジョージも言います。
「想像以上だよ」
「噂には聞いていたけれど」
神宝もその人を見ています、そのうえでの言葉です。
「実際にお会いしてみるとね」
「これだけの美形の人なんて」
「思いませんでした」
また王女とクッキーが言いました。
「本当に」
「全くよね」
「貴方が安倍晴明さんだね」
カエルマンはその人に直接尋ねました。
「陰陽師の」
「はい」
お声も奇麗です、知的で整ったテノールの声です。
「そうです」
「やっぱりそうだね」
「本朝にいた頃は朝廷にお仕えしていまして」
「今はだね」
「こうしてです」
「オズの国にいて」
「人に頼まれますと」
その時はというのです。
「陰陽道で、です」
「頼みごとを解決しているんだ」
「そうしています」
「そうなんだね」
「晴明様は凄いんだよ」
ここで、でした。
晴明さんの足下に何匹かの子狐達が出て来ました、どの子も非常に可愛くてそのうえ愛嬌も備えています。
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