X ーthe another storyー
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第二十三話 剣生その十二
「今はな」
「暫くだな」
「休ませて欲しい」
「そうだな、そういえばだ」
ここで神威は封真に言った。
「小鳥は子供の頃は心臓が弱かったが」
「今はよくなった、しかしな」
「無理は出来ないか」
「普通に運動は出来る」
これは大丈夫だというのだ。
「しかしな」
「それでもだな」
「流石に無理はさせられない」
封真は兄として話した。
「だから尚更だ」
「今は休ませてもらうか」
「こちらでな。天の龍の人達には感謝している」
封真はこうも言った。
「本当にな」
「それは何よりだな、では今はな」
「俺は小鳥の傍にいる」
「そして俺もだ」
神威は自分から言った。
「小鳥の傍にいる」
「小鳥を護ってくれるか」
「約束したな」
神威は微笑んで言った。
「そうだったな」
「だからか」
「俺はずっとな」
まさにというのだ。
「小鳥の傍にいてな」
「護ってくれるか」
「そうさせてもらう」
「そしてだ」
そのうえでとだ、神威はさらに言った。
「お前もだ」
「そのことも約束した通りにか」
「果たす」
「なら俺もだ」
封真は微笑んで応えた。
「小鳥とだ」
「俺をか」
「護る、絶対にな」
「約束通りにか」
「そうする、だから今はな」
「小鳥の傍にいるか」
「そうする、だが俺がいなくなってもだ」
その時もとだ、封真は微笑みから真剣な顔になって神威に言った。
「小鳥を護ってくれるか」
「お前がか」
「ああ、そうなってもな」
それでもというのだ。
「そうしてくれるか」
「勿論だ」
神威は封真に確かな声と顔で答えた。
「そうさせてもらう、だが」
「俺がいなくなることはか」
「あるのか。そんなことは」
「それはお前次第だ」
封真は真剣な顔のまま答えた。
「それはな」
「俺次第だというのか」
「そうだ、そのうえでだ」
「お前はか」
「そうなるかもな。だがそれでもな」
「小鳥はか」
「護ってくれ」
「そうする、だがお前もだ」
神威は封真の言葉に頷きつつ彼に言った。
「また戻って来るな」
「いなくなってもか」
「永遠じゃないな」
「それはわからない」
封真は今度は難しい顔で答えた。
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