怠け者エルフと真面目オーク
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第三章
「していくわ」
「そうされますか」
「今からね」
こう言ってだった。
エルミアは常人の倍以上の素早さと見事さで仕事をしていった、薬の開発と論文の執筆をそうして進め。
わかりやすくてきぱきとした講義を行った、合間の時間はしっかりと勉強をした。そして自宅に帰る時間になると。
急にだ、エルミアはコーヒーを飲む前の顔になって今日の仕事の手伝いをしたアログに言うのだった。
「疲れたわ」
「お見事でした」
助手として真面目に働いたアログはこの時も真面目に応えた。
「今日も」
「いや、本当にね」
「働かれることはですね」
「性に合わないわ」
やはり机にうっぷして言うのだった。
「本当にネオニートになりたいわ」
「またそう言われますか」
「ええ、しかしね」
それでもとだ、エルミアはアログに話した。
「子供の頃からお茶やコーヒーを飲んだら」
「カフェインですね」
「朝飲んだらね」
そうすればというのだ。実はこの日アログが煎れたコーヒーを飲んだのは朝の九時前であったのだ。
「夕方までよ」
「覚醒してですね」
「もう別人みたいによ」
自分でこう言うのだった。
「働けるのよ」
「そして学ばれますね」
「だから子供の頃はね」
ネオニートになりたいと言っていたその頃はというのだ。
「本当にどんなお茶でも一杯飲むとね」
「覚醒されるので」
「お父さんもお母さんもよ」
両親はというのだ。
「お茶やコーヒーを飲ませてね」
「勉強する様にされていたのですね」
「その結果ね」
まさにその為にというのだ。
「大学院出るまでずっとトップで」
「教授にもなられましたね」
「エルフって元々魔術師とかの職業に向いてるわね」
「知力が高いので」
その為にというのだ。
「そう言われていますね」
「そのエルフの中でも神童と言われて」
そしてというのだ。
「また言うけれど」
「教授にまでなられ」
「医学や薬学、錬金術にもね」
「通じられましたね」
「博士号も貰ってね」
博士課程を修了してだ。
「そうなったわ」
「お茶やコーヒーのお陰で」
「一杯飲んだら」
「もう朝から夕方まで」
「私は覚醒するのよ」
そうして頑張れるというのだ。
「今もね、ただね」
「普段はですね」
「働いたら負けよ」
またこう言うのだった。
「目指せネオニートよ」
「やはりそうなりますか」
「ええ、まあお家に帰る位はね」
その程度はというのだ。
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