X ーthe another storyー
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第二十三話 剣生その六
「一緒にな」
「そこで眠ってもらうね」
「そうしてもらう、では叔母さんは」
「そうしてね」
「そしてだ」
そのうえでというのだった。
「これから俺はな」
「選択をするね」
「その時が来たか」
「それでやけどな」
ここで空汰が言ってきた。
「これからのことやが」
「何だ」
「自分これからどないするんや」
「俺がか」
「ああ、いよいよ天の龍になるか地の龍になるか」
眉をやや顰めさせて神威に問う様に言った。
「それが問題やが学校とか家とか」
「家はある」
「あのアパートやな」
「あちらにな。実は父さんと母さんの遺産でだ」
「借りてたんかいな」
「そうだ、俺一人で暮らすには十分だ」
こう空汰に答えた。
「金もな」
「あるんやな」
「だから心配は無用だ」
「学校もかいな」
「このまま通う」
封真と小鳥もいるあの学校にというのだ。
「そうする」
「そうなんか、しかし選択次第でな」
空汰はさらに話した。
「どうなるかわからん、よかったらな」
「私達と一緒にいませんか?」
護刃も言ってきた。
「クランプ学園の敷地内にお屋敷がありまして」
「あの大きな学園か」
「それで私達も通っている」
「あそこにか」
「はい、よかったら」
「それは天の龍を選んだ場合になるけれど」
嵐も言ってきた。
「その場合はね」
「クランプ学園の中でか」
「ええ、どうかしら」
「考えさせてくれ、まだだ」
神威は空汰達に難しい顔で答えた。
「まだ何もだ」
「決めていないから」
「何も言えない、しかしこの剣は」
嵐に言ってからまだ浮かんでいる剣を見て言った。
「もうな」
「ええ、早くね」
「収めないとな」
「その通りね」
「多分その剣は貴方しか持てないわ」
火煉は神威に剣を見つつ告げた。
「だからね」
「俺がか」
「ええ、持ってね」
そしてというのだ。
「そのうえで一旦ね」
「姫様のところに戻るか」
「そうしましょう」
「そうした方がいいですね」
征一狼は火煉の提案に頷いた。
「ではすぐにです」
「剣を持ってだな」
「そのうえで、です」
「姫様のところにか」
「帰りましょう」
「そして剣はか」
「姫様に預かってもらいましょう」
こう言うのだった。
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