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X ーthe another storyー

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第二十三話 剣生その三

「俺も」
「それならね」
「お願いします」
「そう、紗鵺さんも影贄だったのよ」 
 時鼓はあらためて話した。
「私達の家の分家の生まれでね」
「力は同じだったのね」
「そうだったのよ」
 火煉に話した。
「影贄の力もね」
「持っていて」
「本来は姉さんが剣を生む筈だったの」
「剣を生む」
 小鳥はこの言葉に不思議な顔になって言った。
「あの、それは」
「わからないわね」
「どういうことですか?」
「言ったままよ、姉さんと私は剣を生む運命を持っていたし持っているのよ」
「剣を生むという」
「天の龍と地の龍の戦に用いるね」
「実はです」
 征一狼が小鳥に話した。
「僕達の戦には二人の神威がいまして」
「神威ちゃんが二人?」
「はい、天の龍の神威と地の龍の神威」
「そうなんですか」
「実は神威君の名前を聞いて」
 その彼に顔を向けて小鳥に話した。
「若しやと思ったのですが」
「そうなの、姉さんもね」
「神威君の名前はですか」
「丁様に夢で言われて」  
 夢見であり自分達が仕えていた彼等にというのだ。
「そしてね」
「そのうえで、ですね」
「名付けられたの」
「神威となる人なので」
「そうだったのよ」
「やはりそうでしたか」
「そしてね」
 時鼓はさらに話した。
「本来はあの時姉さんが剣を生む筈が」
「影贄としてですか」
「紗鵺さんがね」
 彼女がというのだ。
「剣を生んだのよ」
「そうだったのですね」
「それもここで」
「まさか・・・・・・」
 小鳥はその話を聞いてはっとした顔になって言った。
「あの剣がここにあったのもお母さんが亡くなったのも」
「ええ、剣はお腹から出てね」
 時鼓はその小鳥にさらに話した。
「生まれるから」
「剣がですか」
「お腹を割いてね」
「だからお母さんは」
「亡くなったの」
「そうだったんですね」
「それがあまりにも惨い姿だったから」 
 それ故にというのだ。
「貴女は無意識のうちにその光景を記憶の中に封じ込めたのよ」
「だから今までですか」
「紗鵺さんの死を知らなかったのよ」
「その真相を」
「もっと言えた封じ込めてたから」
 そうであったからだと小鳥に話した。
「それでよ」
「そうでしたか」
「そしてね」
 時鼓は話を続けた。
「この神社にあったけれどその剣は地の龍に奪われたわ」
「そしてその時にですね」
「鏡護さんは地の龍の一人の攻撃でね」
「大怪我をしたんですね」
「そうよ、あと桃生神社は代々夢見の家と縁があって」
「お母さんのこともですか」
「知っていてね」
 小鳥を見て話した。 
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