神々の塔
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第二十三話 南洋の神々その十
「仲が悪いと」
「駄目だよな」
「野球でもベンチの雰囲気が悪いと」
「それだけで戦力落ちるよな」
「起きた世界の巨人もこっちの世界の巨人も」
この世界にも邪悪に満ちたこのチームは存在している、本拠地は言うまでもなく日本の江戸にある。そしてそこから世界を汚染しているのだ。
「そのこともありまして」
「弱いよな」
「はい」
実際にというのだ。
「ただでさえ戦力が全然ないのに」
「ベンチの雰囲気も悪いんだな」
「もうギスギスして暗くて助け合いもなくて」
「最悪なんだな」
「柄の悪いのが偉そうにしていて」
これも巨人の伝統である。
「球界の紳士どころか」
「球界のチンピラか」
「具連隊です」
それが巨人の実態であるのだ、どの世界でも。
「ほんまどうにもならへん」
「それじゃあ弱さに拍車がかかるな」
「起きた世界で今二十連敗中ですが」
そして言うまでもなく最下位である。
「試合内容もです」
「酷いのか」
「七割完封負けで」
二十連敗の中でというのだ。
「エラーは絶対に出て十点取られる試合も七割です」
「こっちの世界でもそやからな」
中里は実に嬉しそうに話した。
「気持ちええな」
「ああ、巨人は負けへんとな」
リーも中里に応えた。
「あかん」
「ほんまそやな」
「そやから巨人の選手達の仲が悪いのはな」
ベンチの中でというのだ。
「それはな」
「ええことやな」
「このままであって欲しい」
「巨人が尚更弱くなるから」
「それでやな」
「ほんまにええな」
こう話した、そしてだった。
リーはマオイにだ、こう言った。
「兎に角仲がええことはですね」
「ああ、それだけでな」
「大きな力ですね」
「そうなんだよ」
こう言うのだった。
「実際にな」
「そうなんですね」
「巨人は全部のことで反面教師だけれどな」
「このこともですね」
「ああ、ああして仲が悪いとな」
その内でというのだ。
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