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星河の覇皇

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第八十四部第二章 交渉の用意その二十一

「用意する」
「国債のことは」
「国家元首としてな、国債を調達することも政治だ」
 こちらの仕事だというのだ。
「そしてそれが出来る政治家はそれだけで優れている」
「国債を調達することが出来るだけでも」
「金がないとまさに何も出来ない」
「政治は」
「軍隊もな、むしろ特にだ」
「軍隊はですね」
「予算がかかる」
 そうした分野だというのだ。
「その為国債を調達出来ないならな」
「それだけで、ですね」
「政治家としての能力に欠けるものが出来る」
 ここでギルフォードはこうも言った。
「金借り人となるか」
「借金を」
「それもまた政治家だ、最も愚かなのは」
「それは」
「何でもかんでも無駄遣いだと言ってだ」
 そのうえでというのだ。
「必要な分の予算を切る」
「そうした政治家はですね」
「愚かだ、技術や防災にも私は予算を向けるが」
「そうした分野はですね」
「一見目に見えない」
「だから無駄とですね」
「愚か者は思う」
 そうなるというのだ。
「そして予算を切ってだ」
「何も出来なくして」
「災厄をもたらす、そんな政治家はだ」
「論外ですね」
「さらに悪いのはそうしておき財源は他にあると言うが」
「その財源はない」
「埋蔵金はあると言いつつだ」
 それでもというのだ。
「それはない、そして増税はしないと言っておいてだ」
「それを行う」
「こうした政治家は存在価値がない」
 ギルフォードは言い切った。
「選挙で落選させるべきだ」
「そうすべきですか」
「そうだ、容赦なくな」
「愚かな政治家は政界にいてはいけないですか」
「そうした政治家は衆愚が選ぶ」
 選挙でだ、政治家は民主政治では選挙によって選ばれる。階級制度があろうともエウロパは民主政治なのでそれで政治家もそこから選ばれるのだ。
「何も見えない、わからない愚か者がな」
「衆愚政治が愚かな政治家を生み出す」
「そうなる、だからだ」
 ギルフォードはさらに言った。
「この様な政治家を生み出さない為にだ」
「有権者は選ぶべきで」
「愚かな政治家はだ」
「断じてですね」
「当選させてはならない」
「絶対に」
「民主政治では幾度も見られたことだ」
 愚かな政治家の登場、それはというのだ。
「それをしないことだ」
「断じてですね」
「そして私はそうした政治家ではない」
「財源を把握し」
「そして足りないからだ」
「国債を発行され」
「調達する、それを国債を無駄に入れているとな」
 そうしたというのだ。
「批判もあるが」
「その批判については」
「私は反論を行える」
 充分にというのだ。 
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