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星河の覇皇

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第八十四部第二章 交渉の用意その十八

「それでだ」
「下士官や兵士は」
「わりかしなおざりだった」
「教育については」
「むしろ日本軍の方がな」
「下士官や兵士の教育はしていましたね」
「彼等に出来たのだ」
 ここでギルフォードはこんなことも言った。
「日本は今は連合だ」
「その連合で出来たのだから」
「我々に出来ない筈があるか」
「その通りですね」
「彼等は言う」
 ギルフォードは不快そうに述べた。
「連合各国の知能指数はエウロパ各国のそれよりも高い」
「統計でそう出ているとか」
「市民の平均知能指数がな」
「それが、ですね」
「つまりエウロパの者達は連合の者達より頭が悪い」
「連合ではそう言っていますね」
「これは気にしなくていい」
 一切というのだ。
「こんなものはどうでもなる」
「個人差の類ですね」
「知能指数や運動神経は個人の努力でどうでもなる」
「その通りですね」
「そして実際その違いはだ」
 連合各国とエウロパ各国の知能指数の違いはというのだ。
「一か二程だ」
「何でもないですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「誤差程度だ」
「それ位のもので」
「気にしなくていい」
 一切とだ、ギルフォードは言った。
「何でも彼等は混血して各人種、民族の長所が遺伝で受け継がれてだ」
「そうなってですね」
「知能指数も運動神経もいい」
「そう言っていますね」
「だから混血はすべきとな」
「それが彼等の主張ですね」
 モンサルヴァートは鋭い目で述べた。
「連合側の」
「そうだ、しかしだ」
「その主張は間違いですね」
「今言った通りにな」 
「誤差程度で」
「世の中愚か者はいるが」
 それでもとだ、ギルフォードは話した。
「しかし結局は人種や民族ではだ」
「優劣は決まらないですね」
「要は教育だ、その教育がだ」
 それがというのだ。
「我々は連合なぞ及ばないまでにだ」
「的確であり」
「優秀だ、それで軍もだ」
「教育に力を入れていて」
「優秀なものであるが」
「これまで以上にですね」
「その様なものにしてだ」
 そしてというのだ。
「より強い軍隊にしてもらう」
「エウロパ軍を」
「教育を絶え間なくそれも厳しく行っていき」 
「そのうえで、ですね」
「精強な軍隊にしていく、兵士から下士官そして士官もな」
 尚エウロパ軍は兵士と下士官は平民階級の者しかいない、貴族がそういった立場になることは決してない。ただし平民出身の士官はわりかし存在している。 
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