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ハッピークローバー

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第八十二話 阪神圧勝その十三

「その方がね」
「いいのね」
「そうよ、それでどうするの?」
 母は一華に問うた。
「それで」
「そうね、そこまで言うなら」
 それならとだ、一華は母に応えて述べた。
「今日はね」
「お風呂にするのね」
「湯舟にお湯入れて」
 そうしてというのだ。
「入るわ」
「そうしなさい、女の子はね」
 母は真剣な顔でカ語った。
「匂いがするものよ」
「それ男の子言わないのよね」
「よく更衣室に忍び込んでとかあるでしょ」
「痴漢とかね」
「それはね」
「あの匂いに耐えられるか」
「女の子の匂いにね」
 それにというのだ。
「そうした問題よ」
「そうよね」
「そう、だからね」 
 それでというのだ。
「よく出来るわよ」
「そうした痴漢は」
「お母さんのパート先でもね」
 母は自分のことからも話した。
「更衣室凄く匂ってるから」
「女の人の体臭で」
「だからあんたもね」
「体臭には気をつけることね」
「毎日身体や髪の毛を洗うのは当然でも」
 それでもというのだ。
「シャワーよりもね」
「お風呂の方がいいのね」
「夏でもね、そのことも覚えておいてね」
「そうするわ、汚れも垢も」
「そう、よく落ちるから」
 このこともあってというのだ。
「お風呂はいいわよ」
「じゃあ今から入るわね」
 シャワーではなく風呂にとだ、こう話してだった。
 一華は風呂に入った、そうして身体を奇麗にしてから寝た、そうしてそのうえで朝になりまた日常を過ごすのだった。


第八十二話   完


                    2023・4・15 
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