ハッピークローバー
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第八十二話 阪神圧勝その九
「安心してね」
「試合も観られるわね」
「現に五回を終わって」
試合はそこまで進んでいる。
「ノーヒットノーランで毎回得点で」
「二十点取ってるわね」
「もうね」
それこそというのだ。
「今日は勝ったよ」
「確実にね」
「正直ここまで差がついたら」
「間違いなく勝てるわね」
「しかも巨人打つ気配ないしね」
今は六回表だがまたしても三者凡退だった。
「これはひょっとすると」
「この点差でノーヒットノーランね」
「それすらね」
「望めるのね」
「もう巨人今年三回ノーヒット負けだけれどね」
「完封負けも多いわよね」
「毎年だよ」
巨人に完封負けが多いことはというのだ。
「もうね」
「そうよね」
「毎年百十敗は普通にして」
そしてというのだ。
「そのうち八十はね」
「完封負けね」
「それだけ打たないってことだよ」
巨人の打線はというのだ。
「もうね」
「そういうことね」
「打線は打たなくて」
そしてというのだ。
「投手陣はね」
「いつも打たれっぱなしで」
「炎上ばかりだよ」
「だから勝てないのね」
「しかも守備もね」
こちらもというのだ。
「やる気はないし」
「連携とか下手よね」
「それでエラーもね」
こちらもというのだ。
「一シーズン二百とか」
「それも毎年よね」
「そんなのだから勝てないんだよ」
「そうよね」
「そしてね」
それでというのだ。
「それを改善する頭もない位監督もコーチもね」
「酷いのね」
「球界の盟主とか言うばかりで」
まさにそれのみでというのだ。
「他にはね」
「何もなくて」
「それでだよ」
「ずっと弱いのね」
「そうだよ、チームもこうなったら」
それこそとだ、達川は話した。
「終わりだよ」
「本当にそうね、過去の栄光にすがってばかりだと」
一華も言った。
「何もならないわね」
「全くだよね」
「ええ、じゃあこのままね」
「試合観ていこうね」
「わかったわ」
一華も頷いた、そしてだった。
二人で試合を観ていった、試合は巨人は見事ノーヒットノーランで毎回得点という理想的な敗北を遂げた。そのうえで。
阪神ファン達は歓喜の波に包まれた、そうしてだった。
そのうえでだ、一華は達川と共に喜ぶ阪神ナインを観てからだった。
球場を後にしたが余計な寄り道をせず電車に乗って言った。
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