イベリス
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第百三話 夏休みの宿題その八
「それは」
「例えで思いつく限りの悪い要素集めたけれど」
「爆弾みたいね」
「そうね、言われてみれば」
咲もそれはと頷いた。
「そうした人ね」
「爆弾だと誰も声かけないわね」
「それで普段でもね」
身内の集まりがなくともというのだ。
「誰もよ」
「寄り付かないのね」
「だって性格悪いなら」
「一緒にいるだけで嫌だから」
「それこそね」
最初からというのだ。
「お付き合いもね」
「しないわね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「本当に親戚でもね」
「性格が悪いと嫌われて」
「誰からも相手にされなくなって」
そしてというのだ。
「もうね」
「相手にされなくなるわね」
「そうなって」
同級生にさらに話した。
「孤独によ」
「人生を過ごすのね」
「そうなるわ、それで私はね」
「そうなりたくないわね」
「絶対にね」
それこそというのだ。
「そう思うから」
「咲っち気をつけてるのね」
「性格悪くならない様にね」
「自分から」
「性格悪いと周りも嫌だし」
そうしてというのだ。
「巡り巡って自分もね」
「嫌なことになるのね」
「だからよ」
「意識して」
「そうならない様にね」
その様にというのだ。
「していかないとね」
「駄目ね」
「そう思うわ」
「そういえば太宰って結構ね」
同級生は作者である彼の話もした。
「問題のある人だったわよね」
「だらしないっていうかね」
「何度も自殺騒動起こして」
「他にも何かとね」
「あった人よね」
「そうなのよね」
咲もそれはと答えた。
「愛人さんいたしね」
「当時は普通って言えば普通?」
「お妾さんいた時代だしね」
「じゃあ太宰も」
「まあそれは普通でも」
それでもというのだ。
「自分が子供産ませた人に冷たかったり」
「そんなこともあったりして」
「それがね」
どうにもというのだ。
「私としてはね」
「気になるのね」
「そうなの」
「正直太宰って問題あり過ぎだしね」
「でしょ?人間としてはね」
「それで批判もされてるのよね」
同級生は太宰のこのことを話した、これは太宰の生前に彼と会ったことのある三島由紀夫が有名である。
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