X ーthe another storyー
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第二十二話 姉妹その九
「再びです」
「剣が生まれるのですね」
「あの場所で」
「運命が繰り返され」
「そのうえで」
「そしてあの少女も」
丁はさらに言った。
「記憶を蘇らせるのです」
「悲しいことですが」
「避けられませんか」
「その運命の為にも」
まさにというのだ。
「神威達に伝えましょう」
「それでは」
「その様に」
二人は丁に静かに応えた、そしてだった。
二人は完全に起きた丁を一室に案内しそこで朝食を出した。膳の上に置かれた豪勢な和食のそれをだった。
丁は食事を摂った、上等の漆塗りの食器や箸を使って食べたが。
ふとだ、丁はこんなことを言った。
「かつては庚ともです」
「あの方もでしたね」
「姉妹でしたので」
「共に食べました、しかし今は」
「お一人だと」
「そう言われますか」
「一人で食べますと」
そうすればというのだ。
「美味しくとも味気ないですね」
「あの、私達では」
「とてもです」
二人は丁に畏まって答えた。
「丁様の様な方とはです」
「ご相伴に預かれません」
「わらわはいいのですが」
悲しい顔で話した。
「総理ですらです」
「そう言われますね」
「丁様には」
「やんごとなき方々だけが」
こう言うのだった。
「して頂けますが」
「しかしそれは」
「あの方々は」
「非常にお忙しく」
「またこちらにも」
「来られることは稀です、ですから」
その為にというのだ。
「わらわは食事もですね」
「お一人だと」
「そう言われますか」
「はい」
だからだというのだ。
「そう思う時があります、ですが」
「ですが?」
「ですがといいますと」
「そう思うことは贅沢です」
自分を戒める様に話した。
「貴女達が傍にいてくれて玳透殿もいてくれて」
「今日も来て頂けます」
「授業が終わりますと」
「何よりです」
「天の龍ですね」
「あの方々もですね」
「おられるので」
だからだというのだ。
「一人ではないですね、むしろ」
「多くの者がいる」
「周りにはですか」
「そうですね、孤独を感じますと」
そうなると、というのだ。
「そこからずるずると引き摺られますね」
「孤独の中に」
「そうなりますか」
「そうです、孤独は恐ろしいもので」
それでというのだ。
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