| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十二話 姉妹その七

「彼女も非常にです」
「残酷な運命が待っていますか」
「母の死の真相を知るという」
「惨いことですね」
「いえ、まだです」
 丁は俯いて述べた。
「運命は続きます」
「惨いそれが」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「死ぬのです」
「そうですか」
「ですからまだです」
 それはというのだ。
「惨い運命は止まりません」
「そうですか」
「その死までは」
「死は全てを終わらせますね」
「少なくともこの世の生は」
 それはというのだ。
「そうなります」
「そうですね」
「それは誰もはです」
「私も彼女も」
「わらわも」
 丁は自分もと話した。
「同じです、死ねば」
「それで、ですね」
「全てが終わります、そして」
 時鼓にさらに話した。
「この役目も」
「終わりますか」
「これまで数多くの不幸と絶望を見てきましたが」
 夢見そして影贄の仕事の中でというのだ。
「それがです」
「終わるというのですね」
「そうです、ですから」
 それ故にというのだ。
「待ち遠しくも思っています」
「丁様、それは」
「失礼、口が過ぎました」
 時鼓の諫めに悲しい顔で応えた。
「それではこのことは」
「そうされて下さい」
「はい、それでなのですが」
 丁はあらためて話した。
「貴女はです」
「これよりですね」
「神威達のところに行かれますね」
「そうさせて頂きます」
「途中地の龍達が何かしてくるかも知れないですが」 
 このことも話した。
「しかし」
「それでもですね」
「何としてもです」
「彼のところにですね」
「行って下さい」
「そうさせて頂きます、では」
「これっでお別れですね」 
 丁は悲しそうにこうも言った。
「そうですね」
「はい、この生では」
「ではさようなら」
「別の世でお会いしましょう」
 二人は頷き合い別れた、そしてだった。
 丁は自分の夢に戻った、そのうえで今は眠った。そして起きると傍に控えていた緋炎と蒼氷に対して言った。部屋は和室で平安のそれを思わせる褥の中にいる。
「間もなく剣が来ます」
「天の龍の神威の下に」
「そうなりますか」
「はい」 
 起き上がって話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧