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星河の覇皇

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第八十四部第二章 交渉の用意その九

「だからだ」
「勤勉はいいことですね」
「働いて何か悪いことがあるか」
 ギルフォードはカミュに鋭い目で応えた。
「一体」
「そう言われますと」
「ないな」
「はい」
 まさにとだ、カミュも答えた。
「一切」
「私はカルヴァン派ではないが」 
 ギルフォードはキリスト教は国教会だ、この辺りは代々のイギリス貴族らしくしっかりとしているのだ。
「しかしだ」
「それでもですか」
「そうだ、カルバンはのその教えはいいと考えている」
「勤勉のそれは」
「カルヴァンは蓄財をよしとした」
 働いてのそれをだ。
「それが個人も家庭も豊かにしてだ」
「ひいては国家もですね」
「そうしてくれるからな」
「だからですね」
「いい考えだ、人は働いてだ」
「それぞれの仕事で」
「そうして収入を得てだ」
 そのうえでというのだ。
「国家もだ」
「豊かにする」
「そうあるべきだ、そしてだ」
「今のエウロパ国民は」
「貴族、平民に限らずな」
「百以上の働きをしてくれている」
「素晴らしいことにな、その働きがだ」
 まさにというのだ。
「私の予想以上ですらある」
「エウロパを豊かにしてくれている」
「発展させている、ではな」
「これからもですね」
「私はエウロパを発展させる政策を出していく」
 そうしていくというのだ。
「総統でいる間な」
「これからもですね」
「常にな、そしてだ」
 ギルフォードはさらに言った。
「一つ思うことは」
「何でしょうか」
「今のエウロパの経済成長率は十九パーセントだな」
「おおよそ」
「かなり高い数字だな」
「左様ですね」
「ここまで高いと満足すべきだな」
 ギルフォードはあらためて言った。
「やはり」
「私もそう思います」
「そうだな、だが連合はだ」
「毎年十パーセントの成長で」
「それが続いているからな」
「あの国は常に人口が増え」 
 そしてとだ、カミュは話した。
「かつです」
「開発と開拓を行っていてな」
「国が大きくなり続けています」
「その結果だな」
「成長が常にです」 
 まさにというのだ。
「続いていて」
「あの通りだな」
「成長し続けています、また軍事費もです」
 こちらもというのだ。 
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