ハッピークローバー
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第八十二話 阪神圧勝その二
「不祥事もね」
「毎年だしね」
「何か変な選手ばかりよね」
「半グレみたいな」
「それで球場の中でも態度悪いし」
一華はここで三塁側を見た、遠目にまるでチンピラの様なファッションの巨人の選手達が非常に悪い態度でそこにいる。
「外でもね」
「あんなのだよ」
「服装の乱れは生活の乱れ?」
「というか内面が外に出てるんじゃないかな」
達川も彼等を見て言った。
「それでだよ」
「ああなってるのね」
「もう半グレそのものの」
「そんな生活だから」
「それでだよ」
「あんな風なのね」
「野球よりもね」
今の巨人はというのだ。
「悪い遊びばかりだよ」
「悪い人達と一緒になって」
「そのうえでね」
「それでああしたチームになってるのね」
「そう、それでね」
そのうえでというのだ。
「野球そっちのけで」
「練習も勉強もしなくて」
「遊んでばかりで」
「そこで不祥事も起こして」
「ああなってるんだよ」
「そういうことね」
「今の巨人はどうしようもないよ」
達川は今も彼等を見ている、そのうえで一華に眉を顰めさせて言うのだった。
「流石に親会社の新聞社は応援してるけれど」
「他の人達は応援してなくて」
「日本中アンチで溢れ返ってるよ」
「私達だってそうだしね」
「今だってね」
今この時の甲子園球場もというのだ。
「三塁側もかなり阪神ファンだしね」
「黒と黄色目立つわね」
「本来は巨人の応援の場所なのに」
その筈がというのだ。
「もうね」
「阪神ファンが七割よね」
「三塁側でね」
「後は全部阪神ファンだしね」
「一塁側は言うまでもなく」
阪神の応援側はというのだ。
「バックネットもこの外野もね」
「皆阪神ね」
見ればそうだった、黒と黄色が支配している。
「そうね」
「弱くて柄が悪くて不祥事ばかり」
「そんなチーム誰が応援するか」
「する人は昔からのファンか」
かろうじて残っている、というのだ。
「相当な変人さんだよ」
「そうした人達ばかりね」
「もうね」
それこそというのだ。
「そうなってるよ」
「そういうことね」
「さもないとね」
そうした人達でもないと、というのだ。昔からのファンと変人ではそれこそ天と地程の違いがあるがだ。
「応援しないよ」
「今の巨人は」
「だって改善する要素全くないから」
それ故にというのだ。
「自浄能力なんてね」
「絶対にないわよね」
「あったらここまで悪くなってないよ」
「もうあるのは過去の栄光だけで」
「いるのは碌でもない人ばかりだよ」
スター選手なぞ一人もいないというのだ。
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