ドリトル先生と桜島
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第四幕その三
「それでだよね」
「西南戦争を戦って」
「敗れてね」
「お亡くなりになったけれど」
「その時もだよ」
桜島はというのです。
「見守っていたよ」
「そうだよね」
「そうしたよね」
「本当にね」
「西郷さんの最期も」
「そうしたね」
「そうだよ、西郷さんが生まれて」
そうしてというのです。
「育って身を立ててことを為してね」
「戻ってきて」
「それで戦争に入って」
「最期を遂げる」
「その時までだね」
「ずっと見守っていたね」
「そうだよ、そして大久保さんも」
西郷さんと共に戦いことを為してきたこの人もというのです。
「見守ってきたよ」
「あの人は東京で亡くなったね」
「暗殺されて」
「それでだね」
「けれどきっとね」
先生はさらに言いました。
「あの人の魂はね」
「鹿児島に戻ってるんだね」
「そうだね」
「東京でお亡くなりになったけれど」
「その魂はね」
「そうなっているよ、西郷さんも魂はね」
この人もというのです。
「鹿児島にあるし」
「今はだね」
「また一緒にいるんだね」
「征韓論を袂を分かったけれど」
「そうなってるのね」
「絶対にね、実はお二人の絆はずっとあったんだ」
西郷さんと大久保さんのそれはというのです。
「西南戦争ではね」
「あの人達は戦うことになったね」
「直接向かい合っていないけれど」
「西郷さんは叛乱軍の総大将で」
「大久保さんは政府を動かしていて」
「けれど大久保さんは最初西郷さんは叛乱に加わらないと確信していたんだ」
そうだったというのです。
「そんなことは絶対にしないってね」
「そうだったんだ」
「けれどだよね」
「あの人は担がれて」
「それでだったね」
「その時大久保さんはとても悲しかったそうで」
それでというのです。
「西郷さんが死んだと聞いて号泣したそうだよ」
「敵味方になってもだったんだ」
「ずっと西郷さんのことを想っていたんだ」
「幼馴染みでずっと一緒にいて」
「西郷さんを支えてきて」
「西郷さんもその大久保さんを心から信じてね」
西郷さんはそうだったというのです。
「そのお言葉を聞いて頼りにしていたから」
「お二人の絆は強くて」
「例え敵味方になっても」
「それでもそれは変わらなかったんだ」
「暗殺される時も馬車の中で西郷さんのお手紙を読んでいたんだ」
東京でそうなった時もというのです。
「その前に西郷さんと一緒に崖に落ちた夢を見たそうだし」
「そこまで絆が深いなら」
「それならだよね」
「大久保さんもだね」
「魂は鹿児島に戻って」
「お二人は一緒だね」
「そうなっているよ、その西郷さんと大久保さんの魂をね」
今はというのです。
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