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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その四十四

「もっと言えるがサハラで言われる獣はな」
「そうしたものですね」
「狼は少し格が落ちます」
「竜はまた別の獣です」
「象等は草食性ですし」
「鰐や鮫は水のものです」
「鷲や鷹は空のもの」
 そうした獣達も強いとされているがというのだ。
「また違います」
「熊も狼と同じ様な格です」
「サハラで獅子と同格の獣となると」
「虎、そしてですね」
「豹ですね」
「その豹だ」
 まさにというのだ。
「彼だけだ」
「赤き豹ですね」
「シャイターン主席ですね」
「あの方ですね」
「今はあの方だけですね」
「そのシャイターン主席が戻ってきたのだ」
 だからだというのだ。
「これからはだ」
「この五日間の様にはいかず」
「長い戦いになる」
「辛い戦いになる」
「左様ですか」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「これからが正念場と言っていい」
「これまでは勝ちましたが」
「国境でも防衛ラインでも」
「シャイターン主席の復帰となったので」
「それで、ですね」
「厳しい戦いになる、これまでは緒戦であり」
 それでというのだ。
「緒戦で勝つことも大きいが」
「それでもですね」
「緒戦は緒戦に過ぎません」
「緒戦での勝利は覆される」
「それで、ですね」
「これからのことは」
「戦局は常に動き常に変わる」
 こうもだ、アッディーンは言った。
「だからだ」
「これまでの我が軍の勝利も」
「それもですね」
「これからの戦局次第で、ですね」
「覆される」
「そうなりますね」
「そうだ、そしてシャイターン主席はだ」
 ここで言うのだった。
「それが出来る人物だ」
「劣勢となった戦局を覆すことが出来る」
「その手腕で」
「それが出来る御仁であり」
「その御仁が戦場に戻ったので」
「大いに変わることもだ」
 これもというのだ。
「有り得る、だからな」
「これからの戦いは厳しいものになり」
「楽に勝てない」
「そうもなりますか」
「彼等は」
「そう考える、最悪の場合は」
 アッディーンはさらに言った。
「我々は国力を総動員してだ」
「国力は我が軍の方が上です」
「二倍近く開いています」
「総生産も人口も」
「それ位の違いがあります」
「その国力を使ってだ」
 そしてというのだ。 
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