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イベリス

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第百二話 終わりゆく夏その十

「そうしたこと言ってね」
「革命を煽って」
「実際によ」
「そうした人達皆殺しにしようっていうのね」
「実際ロシア革命そうだったでしょ」
 ソ連が生まれたこの革命はというのだ。
「もうどんどんね」
「そうした人達殺して」
「どれだけの人殺したか」
 ニコライ二世一家を代表としてだ、ロシア革命は無能と見れば赤軍即ち自分達の将軍すら殺していた革命であったのだ。
「フランス革命もそうだったしね」
「あの革命も貴族はね」
「殺して回ったでしょ」
「もう殺し回って」
「それで自分達が権力を握る」
「そんな風だったわね」
「それがね」
 まさにというのだ。
「革命だったのよ」
「フランス革命ね」
「そうよ」
 愛はさらに話した。
「あの革命もそうで自分達がね」
「権力を持つのね」
「そうしたことを考えてるから」
「要注意ね」
「選挙があるなら」
 それならというのだ。
「もうね」
「選挙に勝てばいいわよね」
「それをしないでね」
「暴力で革命起こして」
「自分達が権力握るってね」
 そこにどういった理想があろうともというのだ。
「やっぱりね」
「間違ってるわよね」
「そうよ、だからそうしたこと言う人達にもね」
「要注意ね」
「昔の学生運動の人達とかね」
「今じゃお爺さんお婆さんよね」
「そうなってもね」
 学生運動の時はその名前通り学生であった、だが三つ子の魂百までの言葉の通り若い頃のまま何も変わっていない考えでというのだ。
「まだね」
「考え変わってなくて」
「ことあるごとにそんなこと言って」
「実際に革命もなのね」
「考えていてね」
 それでというのだ。
「何かあればよ」
「実際に起こそうとしてるのね」
「それでソ連とかね」
「日本をああした国にしたいのね」
「そんな人達の言うことなんて」
 愛はそれこそと言った。
「もうね」
「聞かないで」
「ちゃんとした人達の言うこと聞いて」
 そしてというのだ。
「やっていかないとね」
「駄目よね」
「さもないと失敗するわよ」
 愛は強い声で言った。
「人生自体をね」
「ああなって」
「その学生運動やってて」
「今もそうなってる人達ね」
「そんな人達になったら」
「例えこうしたところに住んでいても」
 それでもとだ、咲も言った。 
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