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仮面ライダーBLACK RX〜ネオゴルゴムの陰謀〜

作者:紡ぐ風
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第二十三話『2人の世紀王』

 ネオゴルゴム神殿の広間で、怪人一人いない中でクリムゾンエクリプスは立ち尽くしていた。
 「ソフィルもついに敗れたか。これは、この手で直接決着を着けるしか残されていないか。」
 クリムゾンエクリプスは玉座に背を向け地上へと歩みを進める。

 光太郎は、三神官全てを倒したことで、クリムゾンエクリプスとの直接対決の気配を感じていた。
 「兄貴、大丈夫か?」
 考え込む光太郎に霞のジョーは声をかける。
 「ああ。だが、近いうちに落ち着いていられる状況ではなくなるだろう。三神官を失ったクリムゾンエクリプスは俺を誘き寄せる為に何を仕掛けてくるか分からない。警戒しておいて損はないよ。」
 光太郎が話していると、外から爆発音が聞こえ、二人が外へ出ると、クリムゾンビームによってビルを破壊し、人々を襲っているクリムゾンエクリプスがいた。
 「さあ、仮面ライダーの助けを求めるのだ!」
 クリムゾンエクリプスが光太郎を探していることは明白であった。倒壊したビルの瓦礫に挟まれた人々は必死に仮面ライダーを求める。
 「クリムゾンエクリプス、お前の目的は俺のはずだ!罪のない人々の命を狙うのはやめろ!」
 光太郎の声を聞き、クリムゾンエクリプスは破壊活動を止める。
 「来たか、旧時代の世紀王!貴様のキングストーンをこの手に収め、今度こそ俺が創世王となるのだ!」
 「…霞のジョー、人々の救助を頼む。クリムゾンエクリプス、決着を着けるぞ!変身!」
 光太郎はRXに変身する。
 「始めようか、時代の、世界の覇者に相応しい王を決める決戦を!」
 クリムゾンエクリプスは叫びながらRXに組み付く。
 「人々の平和は、この仮面ライダーBLACK RXが守る!」
 RXは組み付いてきたクリムゾンエクリプスの腕を振り払い、腹部に強力なパンチを放つ。
 「クリムゾンビーム!」
 腹部への攻撃でクリムゾンエクリプスは怯むが、すぐに体勢を立て直し、クリムゾンビームで反撃する。しかし、雷状のビームであるが故に、直線上のRXに直撃することはなく、華麗に避けられてしまう。
 「クリムゾンエクリプス、お前には一つ聞きたかったことがある。何故お前が信彦のキングストーンを扱える!?キングストーンは選ばれた者にしか与えられず、その力を扱うことはできないはずだ!」
 RXはずっと疑問に思っていたことを言う。その言葉を聞き、クリムゾンエクリプスは拳を震わせる。
 「選ばれた者にしか?貴様は、自分が選ばれた存在だとでも思っているのか!」
 クリムゾンエクリプスは怒りを顕にする。
 「貴様は今日ここで死ぬ。あの世での話のネタに一つ教えてやろう。本来、このキングストーンは俺に与えられるはずのものだった。」
 「なんだと!」
 クリムゾンエクリプスの言葉に、RXは驚く。
 「お前達が産まれた日蝕の日、ゴルゴムのメンバーの親から産まれたのがお前達の二人だけだと、いつから錯覚していた?予定ではキングストーンは俺ともう1人のメンバーの子供に与えられるはずだった。だが、お前達が兄弟同然に産まれることが判明し、俺は産まれる前に世紀王になる道を閉ざされた!それでも、新たに決定した世紀王が儀式を行うならば諦めもついた。だが、貴様は与えられた義務を反故にし、仮面ライダーBLACKと名乗ってゴルゴムに反旗を翻した!俺達は何の為に世紀王になる道を閉ざされた!それだけじゃない!ダロムによる怪人冬眠計画で、俺は冬眠の対象にされた!」
 クリムゾンエクリプスは拳に怨みを込めてRXを殴る。
 「儀式に勝てば創世王になれるというのは出鱈目だ!勝ってキングストーンを揃えたとしても、創世王の新しい肉体の依代にされるだけだ!」
 RXはヨロヨロと立ち上がるが、クリムゾンエクリプスはすぐさま蹴りを放ち、RXを吹き飛ばす。
 「それこそが選ばれし者に与えられし栄誉だ!その栄誉を理解できない失敗作は、ここで散れ!クリムゾンパンチ!」
 クリムゾンエクリプスは拳に深紅のエネルギーを込め、RXの腹部を殴りつける。
 「ゥグッ!」
 その威力にRXは怯むが、クリムゾンエクリプスは追撃の手を緩めることはなく、両脚のレッグトリガーを引き力を込めてジャンプし、深紅のエネルギーを纏う。
 「クリムゾンキック!」
 クリムゾンエクリプスは必殺の両脚蹴りをRXに放ち、RXは地面を転がる。
 「さあ、余計な抵抗をせずにくたばるのだ!」
 着地したクリムゾンエクリプスはRXに近づく。しかし、仰向けになっていたRXは太陽の光を吸収したことで体力を回復し、クリムゾンエクリプスから間合いを取る。
 「ほう、まだそんな手を残していたか。だが、無駄な足掻きだとすぐに気付く。終わりだ!クリムゾンフラッシュ!」
 クリムゾンエクリプスはベルト部分から光線を放ち、その威力でRXは吹き飛び、地に伏せるが、光線は止まることがなく、放たれ続ける。しかし、
 「どういうことだ!何故止まらない!」
 この事態はクリムゾンエクリプスも想定していないものであり、焦り出す。そして、光線が止まったかと思うと、緑色の光が一つ、ベルト部分から排出され、RXに近付き人型に実体化する。
 「…信彦?」
 その人型の正体はかつてBLACK、そしてRXと激闘を繰り広げた月の世紀王、シャドームーンであった。
 「光太郎、大丈夫か!?」
 シャドームーンはRXを立ち上がらせる。
 「信彦、どうして信彦の意思が!?」
 RXは驚きを隠せずにいる。
 「解らない。きっと、キングストーンが奇跡を起こしてくれたんだ。行こう!」
 「信彦、一緒に戦ってくれるんだな!」
 「俺と光太郎の間だろ。」
 RXとシャドームーンはクリムゾンエクリプスに身体を向ける。
 「俺は太陽の子!この世の生命、生きるもの全てを守る!仮面ライダーBLACK!RX!」
 「月光の世紀王!シャドームーン!」
 二人の世紀王は名乗りを上げる。
 「旧時代の世紀王が二人に増えたところで、俺に敵うものか!」
 クリムゾンエクリプスは走りながら近づこうとする。
 「来い、アクロバッター!ロードセクター!」
 RXは相棒であるアクロバッター、そしてBLACKとして戦っていた頃に愛用していた超マシン、ロードセクターを呼び寄せ、クリムゾンエクリプスを妨害する。
 「信彦、アクロバッターを使ってくれ。俺はロードセクターで行く。」
 「ああ!」
 シャドームーンがアクロバッターに触れると、その生体反応をキャッチし、アクロバッターはかつての姿であるバトルホッパーへ姿を変える。
 「バトルホッパー…」
 シャドームーンの呟きにバトルホッパーはランプを点灯させて反応する。
 「イコウ、シャドームーン。」
 「頼むぞ!」
 バトルホッパーの声を聞き、シャドームーンは乗る。二人の世紀王はマシンを走らせる。
 「小癪な真似を!」
 二人の世紀王のバイクテクニックに、クリムゾンエクリプスは翻弄される。
 「アタックシールド!」
 RXは突撃の体勢に入り、ロードセクターは空気を受け流す装甲、アタックシールドが展開される。
 「信彦、息を合わせよう!」
 「分かった!」
 RXはロードセクターによる高速突撃、スパークリングアタックを放ち直撃を受けたクリムゾンエクリプスは宙を舞うが、すぐさまシャドームーンがキングストーンのエネルギーをバトルホッパーと共鳴させて放つ突撃、ダイナミックスマッシュで撃ち落とす。
 「こんなところで終わるものか!サタンサーベル!」
 クリムゾンエクリプスはサタンサーベルを出現させ、握る。
 「シャドーセイバー!」
 二人の世紀王もバイクから降り、シャドームーンは長短一対の双剣、シャドーセイバーを手に取る。
 「光太郎、俺がチャンスを作る!」
 「頼むぞ!」
 シャドームーンはクリムゾンエクリプスの攻撃をシャドーセイバーで受け止め、RXはバイオライダーに変身してすぐにゲル化する。
 「クリムゾンエクリプス、よくも光太郎を苦しめたな!」
 シャドームーンはサタンサーベルを短剣で受け止め、長剣でクリムゾンエクリプスの腹部を斬る。
 「何故だ!何故こんな奴らに!」
 クリムゾンエクリプスは怒りながらサタンサーベルを振るうが、シャドームーンに受けきられ、しまいにはシャドーセイバーで空へ弾かれてしまう。
 「光太郎、今だ!」
 「ボルティックシューター!」
 シャドームーンの合図でバイオライダーはロボライダーへ変身しながら実体化し、ハードショットによってサタンサーベルを破壊する。
 「しまった!サタンサーベルが!おのれ!クリムゾンビーム!」
 「シャドービーム!」
 クリムゾンエクリプスは怒り、雷状のビームを放つが、シャドームーンは同様のビームを放ち、相殺する。
 「信彦、一気に決めよう!」
 ロボライダーはRXに戻り、シャドームーンの隣に立つ。
 「ああ!」
 RXとシャドームーンは一斉にジャンプする。
 「迎え撃ってみせる!」
 それに反応するようにクリムゾンエクリプスもジャンプする。
 「RXキック!」
 「シャドーキック!」
 「くらえ!クリムゾンキック!」
 二人の世紀王の必殺のキックとクリムゾンエクリプスのキックがぶつかり合う。
 「こんなところで…終われるものか!」
 二人の世紀王のキックがクリムゾンエクリプスに打ち勝ち、クリムゾンエクリプスは無念の叫びを上げながら爆発し、撃破され二人の世紀王は着地する。しかし、シャドームーンはその場に倒れてしまう。
 「信彦、大丈夫か!」
 RXはシャドームーンを抱きかかえる。
 「光太郎、どうやら限界みたいだ。最後に、一緒に戦えて、良かったよ…」
 RXの腕の中でシャドームーンは力尽きる。
 「信彦!」
 RXは叫ぶ。だが、シャドームーンの姿は既になく、RXの手の中には砕けた月のキングストーンが残されていただけだった。
 「そうか、信彦は帰っていったんだな…」
 RXは感傷に浸る。だが次の瞬間、月のキングストーンは光の粒子となり何処かへ向かってゆく。
 「キングストーン、何処へ向かっているんだ…」
 RXはアクロバッターに乗り粒子の後を追う。RXの最後の戦いが刻一刻と迫っていた。
 続く

 最終回
 光の粒子の向かう先にRXを待ち構えているものとは?そして、ネオゴルゴムとの戦いを終えた光太郎は?『LONG LONG AGO 20TH CENTURY』ぶっちぎるぜ! 
 

 
後書き
 怪人図鑑
 クリムゾンエクリプス
 身長:198.7cm
 体重:90kg
 ネオゴルゴム三神官が月のキングストーンを移植したバッタ怪人に火、水、風の石のエネルギーを送り込んで誕生した日食の世紀王。仮面ライダーBLACKを深紅色にしたような外見が特徴的であり、BLACKやシャドームーンと同じ能力を持つ他、破壊されたサタンサーベルを復元する能力も持つ。 
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