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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その三十八

「一敗からそうなった」
「そうですね」
「そして我がサハラでもです」
「そうした話は多いです」
「無敗の英雄が最後の一戦で敗れる」
「そうなることもですね」
「よくありました」
 他の者達も言う。
「そうでしたね」
「中には最後の一戦でも勝ちましたが」
「流れ弾の様な一撃で、です」
「命を落とし」
「そして終わったこともありましたね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「やはりだ」
「最後ですね」
「最後の戦いですね」
「それでどうか」
「勝っているか」
「そしてもっと言えば生きているかですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「我がティムールもだ」
「何としてもですね」
「最後にですね」
「勝っていることですね」
「今は劣勢ですが」
「そうだ、そしてその為には閣下が復帰して頂くことが絶対だった」 
 シャイターン、彼がというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「閣下が戻られた」
「だからですね」
「この度は」
「ここから一気にだ」
 劣勢の戦局もというのだ。
「覆せる」
「左様ですね」
「では今は」
「我々はここで自分達の責務を果たしましょう」
「そうしていく」
 サルマーンは笑顔で言った、そうして彼も己の責務を果たしていた。そして当のシャイターンはというと。
 電送機に向かいつつ周りからの報告を聞いていた、既に軍服もマントを身に着け戦う姿になっている。そのうえで言うのだった。
「これからだ」
「戦局はですね」
「これからですね」
「覆す」
「そうされるのですね」
「敵の攻撃の正体はわかった」
 オムダーマン軍の謎の魚雷攻撃のそれはというのだ。
「すぐにな」
「そうなのですか」
「そちらも」
「今お話しましたが」
「それで、ですか」
「そうだ、どういう攻撃かも」
 シャイターンはさらに話した。
「わかった、だからだ」
「それで、ですか」
「若しオムダーマン軍がその攻撃を仕掛けようとも」
「それでもですか」
「攻撃する前にだ」
 仕掛けるそれのというのだ。
「既にだ」
「攻撃をされますか」
「そうしてですか」
「破られますか」
「そうされますか」
「奇襲は気付かれなくてだ」
 そのうえでというのだ。 
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