イベリス
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第百二話 終わりゆく夏その五
「黒タイツ姿がね」
「人気だったの」
「そうだったのよ」
「男の人でもタイツ姿人気になるのね」
「だからよ」
それでというのだ。
「女の子もね」
「タイツを穿いたら」
「暖かいしね」
それにというのだ。
「脚も奇麗に見えるから」
「いいのね」
「冬はね、それでね」
「それで?」
「下着はもう一枚多くよ」
「ああ、毛糸とかの」
「そうしたのも穿いてね」
そうしてというのだ。
「さらにね」
「あったかくするのね」
「もう毛糸のパンツとかは」
「あったかいから」
「タイツはファッションでも」
「あったかさもなのね」
「大事だし」
冬はというのだ。
「それでよ」
「毛糸のパンツもいいのね」
「これは見えないとね」
毛糸のパンツの場合はというのだ。
「いいのよ」
「そうなのね」
「何なら半ズボン穿いてもね」
この場合もというのだ。
「いいしね」
「それでもいいのね」
「そう、寒さ対策も」
「大事ね」
「女の人は冷え性だから」
男に比べてというのだ。
「それでよ」
「そっちへの対策も大事ね」
「冷えたくないでしょ」
ようやく涼しさを僅かながらも感じた中でだ、愛は咲に問うた。
「咲ちゃんも」
「私特に冷え性だしね」
「そうでしょ、私も冷え性だし」
「それならっていうのね」
「ちゃんとね」
「冷えない様に対策はしっかり」
「お洒落をしながら」
そのうえでというのだ。
「やっていくことよ」
「冬は」
「そう、冬は冬でね」
「そうしていくことね」
「ええ、手にはちゃんとね」
「手袋よね」
「それで毛糸のパンツ並にださいと言われるけれど」
それでもと前置きしてだ、愛は話した。
「ババシャツね」
「あれね」
「ババシャツそう言われても暖かいから」
「着けておくのもいいのね」
「そうよ、お洒落はしながら」
「暖かくもする」
「それが大事よ、お家で股引きもね」
これもと言うのだった。
「男の人もあるし」
「男の人でも」
「見えるところはお洒落で」
「見えないところは暖かく」
「それは冬でね」
この季節のファッションでというのだ。
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