イベリス
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第百二話 終わりゆく夏その二
「二枚で靴下もね」
「履くわね」
「上も厚着して」
「そうするわね」
「お部屋の中でもね」
自分のというのだ。
「半ズボンにタンクトップとか」
「そんな恰好は」
「しないわね」
「ええ」
咲もそれはと応えた。
「それも生地の薄い」
「もう下着のラインすら見える」
「透けてね」
「そんな服はね」
部屋の中でもというのだ。
「出来ないわ」
「そうよね」
咲は愛のその言葉に頷いた。
「冬になったら」
「東京はね」
「冬は本当に寒いからね」
「関西よりもね」
同じ日本でもというのだ。
「東京って雪多いし」
「そうそう、東京で大雪って言われても」
年に何度かとだ、咲は話した。
「あっちじゃね」
「そんな予報出てないこと多いでしょ」
「それ私もね」
「気付いてたのね」
「言われてみれば」
今というのだ。
「そうなのよね」
「気付いたのね」
「うん、東京でそうでも」
「あっちじゃね」
「あまりね」
東京程というのだ。
「大雪が降るとか寒波とかね」
「言われないでしょ」
「大阪とかね」
「そう、やっぱり東京ってね」
「冬寒いのよね」
「あっち夏は暑いっていうけれど」
大阪は特にそう言われる、大阪の夏の暑さは別格だとだ。
「けれどね」
「冬はあったかくて」
「逆にね」
「こっちは冬寒くて」
「もう厚着しないとね」
「やっていけないわよね」
「裸族なんてね」
少し苦笑いになってだ、愛は話した。
「お部屋の中でもよ」
「想像出来ないわね」
「裸族ってお金かからない様で」
「お金かかるのよね」
「そう、煖房とかでね」
「冬は特にね」
「私お部屋の中でも下着じゃないから」
愛はそうだというのだ。
「実は夏でもね」
「それ私もだけれど」
咲は自分のことから答えた。
「確かにお姉ちゃんもね」
「そうでしょ、半ズボンとタンクトップでも」
今言った様にというのだ。
「着てるでしょ」
「そうよね」
「幾ら服の露出が高くても」
「裸にはならないわね」
「下着姿にはね」
自分の部屋の中でもというのだ。
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