八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七百二話 薩摩の言葉でその四
「軍事費はだ」
「少しでよく」
「その分をな」
「他の分野に回していますね」
「福祉にも回してな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「教育にもですね」
「回しているからな」
「連合の教育は充実していますね」
「予算があるとな」
それならとだ、大尉は話した。
「その分だ」
「色々出来ます」
「エウロパを見ろ」
自分達の国とはここでは言わなかった。
「千億の人口にだ」
「十億の軍隊です」
「百人に一人がだ」
人口のというのだ。
「軍隊にいるとなるとな」
「予算もです」
「かなりのものになる」
「左様ですね」
「事実エウロパの国家予算はな」
「軍事費にかなり割かれています」
「それで社会福祉にな」
それに加えてというのだ。
「教育にもな」
「お金を向けていますね」
「無論エウロパもな」
自分達の国もというのだ。
「教育には力を入れている」
「そうですね」
上等兵も否定しなかった。
「それは」
「それもかなりな」
「予算も回していますね」
「かなりな、だが」
「軍事費の負担の分」
「やはり回せる予算はな」
それはというのだ。
「考えてしまってだ」
「制限されますね」
「第一がな」
エウロパの予算の配分を考えるうえでというのだ。
「どうしてもだ」
「軍事費となりますね」
「そうなるからな」
それでというのだ。
「中々だ」
「教育についても」
「他の分野と同じくな」
「連合の様にはいきませんね」
「この国は違う」
連合はというのだ。
「技術は先進的でな」
「エウロパより数百年も」
「そして予算もな」
「多くあり」
「その分充実している、どうもだ」
大尉は中等部の校庭の中を見回しながら上等兵に話した、擦れ違う中学生達も見つつそうしたのだった。
「設備がどれも新しいな」
「そうですね、古いものはです」
「あまり感じないな」
「年代を感じさせるものは」
「すぐにだ」
それこそというのだ。
「旧式になるとな」
「新しいものに代えますね」
「新しい技術を導入する」
「左様ですね」
「芸術や歴史で価値のある建築物は残すが」
それでもというのだ。
ページ上へ戻る