八条学園騒動記
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第七百二話 薩摩の言葉でその二
「動物園や植物園にな」
「博物館もですね」
「そして図書館にもな」
そちらにもというのだ。
「行くし美術館も見学するぞ」
「連合の芸術kもですね」
「見る、芸術もな」
こちらの分野もというのだ。
「相手国の国力のパラーメーターだ」
「一体どれだけのものがあるか」
「それがだ」
まさにというのだ。
「わかるからな」
「見学すべきですか」
「そうだ」
「そういうことですね」
「君は芸術はか」
「実はです」
上等兵はこう前置きして答えた。
「これといってです」
「造詣がないか」
「申し訳ないですが」
「そうなのだな」
「はい、どうも」
「ならいい、しかしな」
「それでもですか」
「ないならだ」
それならというのだ。
「あらためてだ」
「学ぶことですか」
「そうすればいいだけだ」
こう言うのだった。
「ただな」
「そうですか」
「知らないなら知る」
「それだけですか」
「知らないことは悪いことでもなくだ」
そうしてというのだ。
「恥でもだ」
「ないですか」
「知ればいいだけだ」
知らないのならというのだ。
「学校の勉強もだ、学ぶとな」
「それで、ですね」
「知ってな」
「成績が上がりますね」
「それだけだ、まことにだ」
「知らないことはですか」
「何の悪でも恥でもなくな」
大尉はまたこう言った。
「ただ、だ」
「知ればいいだけだすね」
「それだけのことでな」
「私もですか」
「そのだ」
「知らないことをですね」
「知ればいい、ではその知る為にだ」
まさにその為にというのだ。
「見ていくぞ」
「連合の学園をですね」
「それも我々にとって最大の敵のな」
「八条義統長官が理事長である」
「その学園を見ていく」
「それでは」
上等兵も頷いて応えた、そうしてだった。
二人で学園の中を見て回った、流石に校舎の中は駄目であったが校庭等は見学することが出来た。それでだった。
幼稚園、小学校、中学校とだ。
回ってだ、上等兵は大尉に話した。
「いや、実にです」
「設備が整っているな」
「我々の学園よりもです」
「遥かに進んでいるな」
「平民用の学校になる筈が」
エウロパから見てとだ、上等兵はどうかという顔で言うのだった。
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