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神々の塔

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第二十話 蛇の神々その三

「それで北欧神話でもロキはな」
「人間にはな」
「別に悪いことせんな」
「トリックスターであるだけでな」
「そやな」
「そのロキの子供で」
「神と言ってもよくてな」
 シェリルはメルヴィルにも話した。
「別にな」
「悪やないな」
「破壊と再生の中でその役割を果たすとすれば」
「シヴァ神と同じやな」
「そや、悪かどうか」
 そう定義することはというのだ。
「難しい」
「そういうことやな」
「それで蛇の神様はな」
 シェリルはあらためて話した。
「キリスト教や北欧神話は兎も角」
「普通に正しい神様の場合もあるな」
「虹蛇もそうやろ」
「四霊獣の青龍もそうで」
「そや、中国ではや」
 羅が言ってきた、中国人の彼は。
「蛇は龍でな」
「それは他の国と同じで」
「そしてな」
 それでというのだ。
「神様として昔からな」
「崇拝されてるな」
「皇帝もや」
 シェリルに話した。
「まさにな」
「龍やな」
「そや、国によってな」
「神様も違って」
「それでや」
 そのうえでというのだ。
「中国ではな」
「龍は神様で」
「青龍もそうで干支の龍もな」
 こちらもというのだ。
「それになる」
「そして四海龍王やな」
 シェリルはこの神々の名前も出した。
「あの四兄弟の神々も」
「そや、龍のな」
「神々やな」
「この通りな」
「龍は中国では神であり」
「それもかなり位の高い」
 こうシェリルに話した。
「そうした神々やな」
「そこがちゃう」
「ただな」
 今度は施が言ってきた。
「毒龍とか邪な龍もな」
「邪神みたいにやな」
「おる、北京なんか黒龍をどう抑えるか」
「そのことに腐心して築かれたな」
「それで門を哪吒太子の形になぞらえてもうけた」
 この時城を築くことを命じられた者が夢の中で他ならぬ哪吒太子に自分の様な形で城を築けばよいと言われたとある。
「そうしたこともあったんや」
「そうした龍もおるな」
「しかしな」
 それでもというのだった。
「基本はな」
「中国で龍は善神やな」
「そうなってる」
「そやな」
「おんまな」
 何と言ってもというのだった。
「そこがちゃうわ」
「そうそう、こっちでもよ」 
 アレンカールも言ってきた。 
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