X ーthe another storyー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十九話 友情その九
「そして俺自身にもな」
「誓いますね」
「そうした、それに何が起こるとわかっていれば」
「対処も出来る」
「突然だと無理だが」
それでもというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「わかっていれば出来る」
対することもというのだ。
「そのこともあるしな」
「必ずですね」
「俺は心を保つ」
「そのうえで地の龍となり」
「小鳥は殺さずな」
そうしてというのだ。
「神威に任せる、そして神威もな」
「殺さないですね」
「絶対にな、安心してくれ」
「そのことを庚さんにお話してもいいですね」
「構わない、隠すつもりもない」
封真ははっきりと答えた。
「だからな」
「それでは」
「ああ、もうすぐだな」
「はい、彼の選択の時は」
「なら俺が地の龍になったならだ」
その時はと言うのだった。
「宜しく頼む」
「こちらこそ」
「天の龍になればそれで縁は切れるか」
「天の龍の夢にも僕は行けますが」
「やはり地の龍だとな」
「行くのは憚れます」
「敵同士だとな」
封真もそのことは察して述べた。
「そうだな」
「どうしても」
「ならな」
「それでいいですか」
「ああ、その時はあちらのお姫様に頼む、そして」
「彼をですね」
「殺さない、そのうえで戦いを終わらせたい」
こう言うのだった。
「ただ、人間も地球もな」
「そのどちらもですね」
「俺は今は護りたいがな」
「どちらかとなりますと」
「わからない、だが今はな」
「どちらもですね」
「護りたい、地の龍になってもな」
その時もというのだ。
「その考えだろうか」
「それでもいいかと」
これが牙暁の返事だった。
「僕もそうした考えなので」
「だからか」
「はい、それでもです」
一向に、そうした返事だった。
「人の考えは変わっても」
「変わる様に無理強いはだな」
「その心根までは無理なので」
「自分がどうかだな」
「貴方が心を保ったままなら」
「そうした考えでもか」
「いいかと」
こう封真に話した。
「それでも」
「そうか、ならな」
「その様にですね」
「心を保っていく」
こう言ってだった。
封真は深い眠りに入った、牙暁はそれを見届けるとすぐに庚の夢の中に入った。そのうえで彼女に封真の考えを話したが。
ページ上へ戻る