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X ーthe another storyー

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第十九話 友情その四

「私は二人のことを見ていくよ、そしてね」
「この戦い自体も」
「最後までね、それが終わったら」
 牙暁に微笑んで話した。
「それからね」
「行くんだね」
「そうするよ、死んでからずっとここにいるけれど」
「それもだね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「終えてね」
「行って」
「そこで過ごして」
 そしてと言うのだった。
「またね」
「生まれ変わるね」
「今度は何に生まれるのかな」  
 牙暁に問う様にして言った、そのうえで彼を見て言葉を続けた。今も顔も目も口元も微笑んでいる。
「私は」
「それは人間ではね」
「わからないよね」
「未来は見えても」
「そこまではね」
「僕は君がどの世界に行くかは見えるよ」
 それはというのだ。
「そこまではね」
「けれどその先はだね」
「わからないよ、君はいいことをしたから」
 それでというのだ。
「天国、極楽にね」
「行けるんだ」
「けれどその先は」
「そう、そこからはわかってないよね」
「僕には、そうか」
 ここでだ、牙暁は。
 目を開いてだ、そのうえで北都に話した。
「わかっていない、僕が見えることも」
「そうだよ、幾ら夢見でもね」
「人間が見えるものには限りがある」
「数多くの未来があってね」
「その一つしか見えない」
「人間だとね」
 それならというのだ。
「そうだよ、人間は幾ら力があっても」
「神様じゃない」
「だから何でもね」
「限りがある」
「それでだよ」
「僕が見えるものにも限りがある」
 北都に顔を向けて言った。
「そういうことだね」
「私が思うにね」
「じゃあ未来は」
「また言うけれど」
「まだ何も決まっていない」
「そうだよ、だから最後まで見ていってそして」
 牙暁にこうも言った。
「牙ちゃんはその力で皆を助ければいいんだよ」
「僕の夢見の力で」
「そう、悪い夢を見たら」
 その時はというと。
「そうなりかねないからね」
「注意をだね」
「促せばいいし」
「いい夢なら」
「そうなる様にね」
「言えばいいね」
「そうだよ」 
 こう話すのだった。
「道標になればいいんだよ」
「成程、そうなんだ」
「だからね」
 北都はさらに言った。 
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