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X ーthe another storyー

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第十九話 友情その三

「身体はね」
「僕はね」 
 牙暁も否定しなかった。
「ずっとね」
「夢の世界にいてね」
「動けないよ」
「そうよね」
「けれど」
 それでもと言うのだった。
「僕は夢で未来を見てね」
「人に教えられるね」
「そうだよ、けれどね」
「それでもよね」
「そこからね」
「絶望したよね」
「君を助けられなくて、未来は変えられないって」 
 北都の死を見てというのだ。
「そうだったから、けれど」
「それがよね」
「桃生さんを見て」
「変わってきてるよね」
「うん、それならだね」
「見ていってね」
 北都はにこりと笑ってだった、牙暁に話した。
「そうしてね」
「それじゃあ」
「きっとね、小鳥ちゃんのことはね」
「悪くならないで」
「昴流ちゃんと星ちゃんもね」
「僕が見たみたいにはね」
「ならないよ、けれどね」
 それでもとだ、北都は。
 寂しい笑顔になって俯いてだ、こうも言ったのだった。
「全部私の願い通りにはね」
「ならないっていうんだね」
「そう思うわ。私昴流ちゃんも星ちゃんもね」
「二人共だね」
「ずっとね」
 まさにと言うのだった。
「生きていて欲しいけれど」
「この戦いの中で」
「やっぱりそれは無理よね」
「それが北都さんの願いだね」
「うん、二人共大事な人だから」
 北都にとってというのだ。
「だからね」
「そうだね、けれど」
「やっぱり難しいよね」
「桜塚さんはもうね」
「命が終わってもってね」
「いいと思っているから」
「星ちゃんって命の価値、人の痛みがわからないっていうけれど」
「それは何よりも」
「自分自身についてなのよ」
「自分の命の価値がわからないね」
「そして自分の心の痛みもね」
 こちらもというのだ。
「わからないのよ」
「まずは」
「だからね」
 それでというのだ。
「そのことがね」
「問題だから」
「星ちゃんにも生きて欲しいけれど」
「彼については」
「無理かもね」
 こう言うのだった。
「残念だけれどね、けれどね」
「希望は持っているね」
「そうだよ」
 そのことは変わらないというのだ。
「絶対にね」
「そうなんだね」
「だから」
 それでと言うのだった。 
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