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ドリトル先生と桜島

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第一幕その六

「先生もいつもそう言っておられますね」
「それはね」
 先生もそれはと応えます。
「実際にね」
「そう思われていますね」
「うん」
 その通りだと答える先生でした。
「そうだけれどね」
「なら先生もですよ」
「一人で生きられないからだね」
「そうしたことを言う必要はないですよ」
「世間のことが出来なくても」
「その為に僕達がいるんですから」 
 先生の世間のことを支える為にというのです。
「ですから」
「こうしたことはだね」
「言うことはないです」
 またこう言うのでした。
「何も」
「そうなんだね」
「それよりも先生はです」
 先生にあらためて言いました。
「学問のことにです」
「励むことだね」
「はい」
 そうすべきだというのです。
「それが先生のされるべきことですから」
「学問自体がだね」
「僕達はそう思っていますから」
 こう言うのでした。
「そうされて下さい」
「そこまで言ってくれるならね」
「鹿児島でもですね」
「そうしてくるよ」
 是非にと答えた先生でした。
「僕もね」
「はい、それでは」
「鹿児島に行ったら」
「皆とですね」
「皆に助けてもらって」
 そうしつつというのです。
「一緒にね」
「学問に励まれますね」
「そうしてくるよ」
 こう答えるのでした。
「是非ね」
「そうされて下さい」
「ではね」
「はい、しかし」
「しかし?」
「鹿児島といいますと」
 トミーはこの場所のお話をしました。
「どうしても桜島がです」
「調査の対象のだね」
「目立ちますね」
「うん、何といってもね」
「桜島は鹿児島の象徴ですね」
「昔からね」
「そうですよね」
 トミーも応えました。
「やっぱり」
「それこそ人間があそこに住む前からね」
「あそこにあって」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「ずっとだよ」
「噴火しているんですね」
「そうなんだ、そして毎日みたいに噴火しているからね」 
 その為にというのです。
「鹿児島県の土壌はね」
「火山灰に覆われていますね」
「そうなんだ」
「それで知られていますね」
「あれだけ活発な火山は世界的にもそうないよ」
 先生はこうも言いました。 
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