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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第110話 最後の四天王登場!イッセーVSゼブラ、兄弟喧嘩勃発!

side;小猫


 ハニープリズンの所長さんに初めてお会いした私達だったのですが、なんと小さな女性だったのです。所長室に案内された私達はラブ所長の話を聞いています。


「ようこそ、美食屋イッセー。あちしはラブ、ハニープリズンの所長よ」
「は、初めまして。美食屋イッセーです……」
「なによ、もしかして緊張してるの?意外と可愛い一面もあるのね」
「いやぁ……まさか凶悪なグルメ犯罪者も黙るあのハニープリズンの所長がまさか子供だとは思っていなかったので驚きました」
「あんた失礼ね!あちしは大人よ!少なくともあんたよりは長く生きてるわよ!」
「えぇっ!?」


 ラブ所長の言葉にイッセー先輩だけでなく私達も驚いてしまいました。見た目はどう見ても子供にしか見えないからです。


「まったくあんたといい会長といい失礼な人ばかりね」
「えっ、親父も何かしたんですか?」
「あの人あちしに会うたびに飴を渡そうとしてくるのよ。大人だって言ってるのに失礼しちゃうわね!」


 ラブ所長はプンプンと怒りながらそう言いました。


「でも本当にこんな小っちゃいのがあんな強そうな猛獣を従えてんのかよ、にわかには信じられねえな」
「あらおじさん、あちしを甘く見ると痛い目を見るわよ?」
「へえ、どんな目を見せてくれるんだ?こちとら何百年も生きてきたんだ、ちょっとやそっとじゃ驚かねぇ……」
「ちょっとアザゼル、貴方ねぇ……ってえっ?どうしたの?」


 アザゼル先生が失礼な事を言ったので怒ろうとしたリアス部長ですが、アザゼル先生の様子がおかしい事に気が付いて声をかけました。


「美しい……」
「えっ?」
「こんな美しい女性は初めて見た……なんて美貌なんだ」


 アザゼル先生はそう言うとラブ所長に見惚れていました。


「おじ様、ロリコンだったのですか?通りで結婚しないと思いましたわ……」
「私にあんまり近づかないでください」


 朱乃先輩とルフェイさんが冷めた目で先生を見ていましたが、いつもならツッコミを入れる先生は全く反応しませんでした。


「イッセー先輩、アザゼル先生の様子が……ってええっ!?」


 私はイッセー先輩の方を見ると先輩は片膝をついて忠誠を誓う騎士のようなポーズを取っていました。


「祐斗君、どうしたの!?」
「ギャスパー、貴方まで……」


 ティナさんとリアス部長の目線の先にはイッセー先輩と同じポーズを祐斗先輩とギャーくんがいました。どうして男性陣はあんなことになっちゃったんですか!?


「あら、そっちの金髪の子も男の子だったのね。意外だわ」
「所長、これ以上は……」
「分かってるわよ」


 ラブ所長が指を鳴らすとイッセー先輩達はハッと意識を取り戻したかのように立ち上がりました。


「えっ……」
「あんたたちはあちしの趣味じゃないのよね」
「先輩、大丈夫ですか!?」


 私は先輩に駆け寄って安否を確かめます、どうやら正常な意識に戻っていますね。


「俺は一体何を……」
「急にラブ所長さんに忠誠を誓わないとって思ったら体が勝手に……」
「無意識にあんなポーズを……」
「俺としたことがなんて醜態を……よりにもよってあんなチンチクリンにときめいちまうなんて……!」


 イッセー先輩、祐斗先輩、ギャーくん、アザゼル先生はそれぞれそう言いました。


「もしかして貴方がイッセー達を……一体何をしたんですか?」
「ふふっ、あちしが何をしたのか分かるかしら?」


 リアス部長がラブ所長にそう言いますが彼女はニヤリと笑うだけでした。


「催眠術にでもかけられたのか?」
「いやそんな生易しいもんじゃない、頭の中が彼女に服従しないと……っていっぱいになった。まるで本能からそう思いこまされたような……はっ、そういうことか」


 ゼノヴィアさんがイッセー先輩に催眠術にかけられたのかと聞きますが先輩は首を横に振りました。先輩曰く本能からラブ所長に従いたいと思ったと言い何かに気が付いたようにハッとなりました。


「ほんの一瞬だが鼻に何かを感じ取った。この感覚には覚えがある、俺がルキの性別を言い当てた際感じたものと一緒だ……フェロモンだな?」
「流石イッセーちゃん、嗅覚に特化していると言われているだけの事はあるわね。本来無味無臭であるフェロモンを感じ取るとは思わなかったわ」


 イッセー先輩の答えにラブ所長は拍手しながら肯定しました。


「そう、あちしはフェロモンを操ることが出来るの。イッセーちゃん達を操ったのは『姓フェロモン』よ」
「なるほど、それによって男である俺達に命令したのか。人間がフェロモンを感知する場所は鼻の鋤鼻器官……脳の視床下部だ」
「そこは確か本能へと直接伝わる部分だったな、俺達はまるで女王蜂が働き蜂を操るかのごとくいいようにされちまったって訳か」


 ラブ所長の話を聞いたイッセー先輩とアザゼル先生が自分達に起こった現象を説明してくれました。


 人間はそんな場所からフェロモンを感じることが出来るんですね、私達悪魔も同じなんでしょうね。


「所長は数百もの種類のフェロモンを操りこのハニープリズンを統率しているのです」
「あの屈強な処刑獣達もフェロモンを使って操ってるって訳か」


 オーバンさんの捕捉に先輩は処刑獣たちをフェロモンで操っていると言いました。確かにフェロモンを使えばどんな生物でも操れるって事ですね、凄い便利な能力ですね。


「まさに女王蜂だな。貴方に操れない生物はいないって事ですね、ラブ所長」
「まあ一龍会長みたいな規格外には通じないけどね。ただね……」


 ラブ所長はイッセー先輩の言葉に頷きましたがふと憂いを帯びた表情を浮かべました。


「最近このハニープリズンにね、あちしの言う事を聞いてくれない子が出来たのよ」
「えっ、あんな強力なフェロモンをもってしてですか……あっ、ゼブラ兄ですね。あの人がフェロモンを受けてデレデレするわけ無いですし」
「ウチもそう思うし、ゼブラがそんなことに負けるならもっと大人しいし」


 イッセー先輩とリンさんは言う事を聞かないという人物がゼブラさんだと断定しました。


「はぁ……ゼブラちゃん、どうして言う事を聞いてくれないのかしら……」
「その、苦労されているのですね……」
「本当に素敵……」
「そうですか……えっ?」


 イッセー先輩はラブ所長に同情じみた表情を見せましたがその次の呟きに目を丸くしました。


「あのラブ所長、今なんておっしゃいました?」
「ゼブラちゃんが素敵って言ったんだけど?」
「……えっ?」


 それを聞いたイッセー先輩は更に目を丸くしました。


「……あの、まさかとは思いますが貴方ゼブラ兄の事が好きなんですか?」
「ちょ、そんなストレートに聞かないでよ!テレるじゃないの!」
「……マジかー」


 顔を真っ赤にして照れるラブ所長を見てイッセー先輩は頭を抑えました。


「マジで!?ゼブラを好きになるような女性がいたの!?こういう事あんまり言いたくないけど感性大丈夫だし?」
「失礼ね!ゼブラちゃんは素敵な子じゃない!あちしの事を高圧的に見て暴言吐く子なんて今までいなかったのよ!もう超タイプ!」


 リンさんのあんまりなセリフにラブ所長は怒りましたが目をハートにしていやんいやんと首を振りました。


「あの、まさかラブ所長が機嫌が悪かったのってゼブラを出所させるのを恐れていたんじゃなくて……」
「はい、単純に愛するゼブラと離れたくなかっただけです……」
「バリバリ私情じゃねえか」


 ティナさんの質問にオーバンさんは答えにくそうにそう言いました。まあアザゼル先生の言う通りトップが私情丸出しでは言いにくくもなりますよね……


「コホンッ、まあゼブラちゃんの出所についてはあちしも了承したからそこは安心して頂戴。本当は離れたくないけど……」


 ラブ所長はそう言うと大きな椅子から降りて立ち上がりました。


「彼の元に案内するわ、着いてきなさい」


 こうして私達はラブ所長の案内でゼブラさんの元に向かう事になりました。



―――――――――

――――――

―――


 私達はラブ所長の後についていっていますがこの辺りの通路は今までより濃い血の匂いがしますね。


「まあ会長の指示だし仕方ないわよね、ゼブラちゃんは犯した罪も大きいけどイッセーちゃんに負けないくらい新しい食材を発見したっていう功績も持ってるの」
「えっ、そうなんですか?」
「ほぼ全てが非公式だけどな、ゼブラ兄はそういった報告は一切しないから後になってIGOが気が付くってパターンが殆どなんだ。まあゼブラ兄がそういうのに無頓着だからこそ俺はこの若さで四天王の一人と言われるまで名を上げれたんだ」
「そうだったんですか」


 4000種類の新たな食材を発見して世に広めたイッセー先輩の功績に負けないくらいに食材を発見しているんですね、ゼブラさんは。


「ブフォーッ」
「えっ……きゃああっ!豚の化け物だわ!」


 ティナさんが豚のような猛獣を見て祐斗先輩に抱き着きました。いきなり物陰から出てきたから私も驚きましたね。


「この猛獣はランクBの処刑獣『鉱鎧キバブタ』です」
「処刑獣?そいつが普通にいるって事はこの辺りは……」
「ええ、処刑場になります」


 オーバンさんは猛獣の情報を教えてくれました、それを聞いたイッセー先輩はこの辺りが何なのか気が付いたようでオーバンさんは処刑場と言いました。


 なんとこの辺りは罪人を処刑する処刑場だったのです、通りで血の匂いが濃いと思いました。


「この処刑場はハニープリズン『刑のフルコース』のメインデッシュに当たる場所よ。『極刑』を受けた囚人は刑のフルコースとは別に直接この階に送られるの、つまりこの階にある牢獄に入っている囚人は全て死刑囚ってわけ」
「ふえぇ、この階全部の牢獄にいる人は死刑されちゃうんですね……」


 ラブ所長の説明にギャーくんは涙目で答えました。ここは死にもっとも近い場所ですから意識してしまいますね……


「ここは死刑囚以外にも一時的に危険な猛獣や生物を収監しているの。前にも凶暴な鳥人間の子供をぶち込んだわね」
(鳥人間?それってもしかしてニトロの事でしょうか?聞いてみたいけど一龍さんから無暗に聞いたり話したりするなと言われているんですよね……)


 ラブ所長の話に出てきた鳥人間が気になりました、先輩も同じような顔をしています。


 もしかしたらニトロの事かと思いましたが一龍さんから下手に話したりするなと言われています。


 ラブ所長がそこまで話を知らなかったら約束を破ってしまう事になるので後で一龍さんに聞いてみましょう。


「じゃあゼブラ兄も同じように収容されているって事ですね」
「ゼブラちゃんは処刑されてるわよ」
「ええっ!?……ああいやそういうことか」


 ポロっと重要な事を言ったラブ所長に私達は大層驚きました。だってこれから会うはずのゼブラさんが処刑されたなんて言われたんですから!


 でも先輩は最初は驚きましたが直ぐに納得したという表情を見せました。


「イッセー!なんで落ち着いているの!?ゼブラさんが処刑されたのよ!?」
「大丈夫ですよ、ゼブラ兄は生きています。じゃなきゃ音弾が飛んで来る訳がない」
「あっ、言われてみればそうね……でも処刑されたって言うのはどういう事?」
「多分ゼブラ兄が処刑してくれって頼んだんだ。そうですよね?」


 流石に部長も慌てましたが先輩の言葉に落ち着きを取り戻しました。そして首を傾げる部長にイッセー先輩はゼブラさんが自分から処刑されたいと言ったと話してオーバンさんに確認をしました。


「流石イッセー殿、ゼブラの事をよくお判りで……まさに仰る通りでゼブラは自分から処刑を望みました。奴はここに収容されてから毎日処刑されています」
「ゼブラちゃんからしたら処刑されてるくらいがちょうどいいのよ」


 処刑されている方が良いって……流石最後の四天王、規格外ですね。


「さあ、ここがゼブラちゃんの部屋よ」


 そして等々ゼブラさんのいる部屋にたどり着きました。覗き穴から中を見ると四肢を太い鎖で縛られた屈強な体格をした薄い赤の髪の男性がいました、よく見ると頬の一部が裂けていますね……


「ゼブラ兄!久しぶりだな!」
「あの人がゼブラさん……」


 イッセー先輩はゼブラさんに声をかけます。私は初めて見る最後の四天王を見て唾を飲みこみました。


「……ああ、ゼブラちゃん!ついにお別れなのね……!」
「しょ、所長……」
「泣かないでください、ラブさん……」


 泣き出してしまったラブ所長をオーバンさんとアーシアさんが慰めていました。


「ゼブラ兄!どうしたんだ!久しぶりの再会なんだぞ、返事位しろよ!」
「……」


 先輩がそう言いますがゼブラさんは無反応でした、聞こえていないのでしょうか?


 その時でした、地響きと共にゼブラさんを縛っている4つの鎖が引っ張られていきます。


「何が起きてるの!?」
「処刑獣たちが動き出しました!あの四肢を縛る鎖は4頭の処刑獣たちにつながれています、もし4頭の処刑獣が一斉に鎖を引っ張れば体が引き裂かれるのです!」
「そ、そんな……!」


 オーバンさんの説明に私達は最悪の光景を想像して思わず目を閉じてしまいました。でも……


「なっ!?」
「嘘……」


 なんとゼブラさんは4頭の処刑獣たちに鎖を引っ張られているのに全て押さえこんでしまいました。それどころかゼブラさんの方が優勢に見えます!


 するとゼブラさんは息を大きく吸い込みました。


「そうか、さっきから大人しいと思っていたが充電していたのか!皆、耳をふさいで床に伏せろ!『サウンドバズーカ』がくるぞ!」


 イッセー先輩の叫びに私たちは直ぐ耳をふさいで床に伏せました。次の瞬間ゼブラさんから凄まじい音が発せられて辺りを揺らしました。


「そら来た!ぐううぅぅぅぅっ!!」


 あまりの衝撃に壁や鎖にヒビが入ってしまいました。更に音量を上げたゼブラさんは鎖どころか処刑獣達すら気絶させてしまいました。


 そしてようやく声が収まると辺りはヒビだらけで酷い有様でした。割れた壁から処刑獣が泡を吐いて倒れているのが見えました。


「くぅ……あの馬鹿兄貴、俺達まで潰すつもりかよ!」


 イッセー先輩は立ち上がると覗き穴に駆け寄りました。


「こらぁ!ゼブラ兄!いきなりなにしやがんだ!声出すなら一言なんか言えよ!絶対ワザとだろうが!」
「かっかっか、どーだイッセー?」
「えっ?」
「随分と平和ボケしたツラしてやがったからな、目覚まし代わりだ。俺がいなかった地球は随分と退屈だったみたいだな?」
「そんなことねぇよ。よっと」


 イッセー先輩はゼブラさんの元に降りていきました。


「相変わらずだな、ゼブラ兄。元気そうで何よりだ」
「お前も相変わらず品性のなさそうなツラしてやがるな」
「うっせぇ、あんたに言われたくねえよ」


 ココさんやサニーさんとも違う先輩の絡み方に私達は驚いてしまいました。とにかく私達も下りましょう。


「先輩、待ってください。私達も挨拶させてください」
「あっ、小猫ちゃん」
「初めまして、ゼブラさん。私は塔城小猫と言います、イッセー先輩とはお付き合いをさせていただいていまして……」
「イッセー、土産はどこだ?腹減った」
「え、えっと……」


 ゼブラさんは私の挨拶に興味なさそうにそっぽをむいてそう言いました。


「おい、俺の仲間が挨拶してるんだから返事位しろよ」
「興味ねぇな。それよりもイッセー、久しぶりにケンカしようぜ。処刑獣共とじゃれるのも飽きたし久しぶりに殴り合いがしてぇんだ」
「しねぇよ、面倒くさいな」
「なんだ、逃げるのか?まあお前は昔から逃げようとする泣き虫だったからな。すまんすまん、気がつかえなかったな」
「あ?」


 イッセー先輩の様子が変わりました。えっ、どうしたんですか?


「誰が泣き虫だって?」
「俺の目の前にいるガキだが?」
「舐めんなよ?昔ならともかく今は簡単に泣かされるつもりはねえ。俺だって成長してるんだ」
「背伸びするなよ、虚勢張ったって俺には分かるんだぞ?」
「上等だ、嘘かどうか体に叩き込んでやる。表に出ろ」
「そうこなくっちゃなぁ」


 えっ、えっ?なんかイッセー先輩いつもと違うような……?


「イッセーとゼブラまたやってるし……」
「リンさん、あの二人は何をしようとしてるんですか?」
「いつもの喧嘩だよ。イッセーは小さいころからゼブラに泣かされてきたから成長してからはああやって喧嘩ばかりしてるの」
「そ、そうなんですか……」


 私達は普段見せないイッセー先輩の新たな一面に驚いていました。


――――――――――

――――――

―――


「久しぶりの喧嘩だ、先手は譲ってやるよ」
「はっ、後悔するなよ」


 外に出たイッセー先輩は上半身を脱いでゼブラさんと対峙していました。し、四天王同士がバトルするのを見るのは初めてですね……!


「もう、何をやってるのよイッセー」
「止めても無駄だし。イッセーはゼブラの事になると熱くなっちゃうからね」
「なんだかんだ言ってもイッセーもまだ子供なのね」


 リアス部長は呆れた様子でそう言いリンさんは慣れたように言いました。それを聞いていたティナさんはイッセー先輩の子供っぽい部分に苦笑しています。


「イッセー、頑張って!」
「怪我したら私がお二人を治しますね!」
「イッセー君!ファイトだよ!」


 朱乃先輩、アーシアさん、イリナさんが先輩の応援をします。


「ゼブラちゃーん!がんばってー!」
「所長……」


 ラブ所長はゼブラさんを応援してそれを見たオーバンさんが頭を抑えていました。


「いくぞ!」


 早速喧嘩が始まりまずは先輩が仕掛けます。ゼブラさんは言葉通り先手を譲るようで動きませんでした。


「おらぁっ!」


 先輩はまるで大砲を撃ったような爆音と共にゼブラさんの頬に拳を叩き込みました。


「なんだこのへなちょこパンチは?俺が手本を見せてやるよ……!」


 するとゼブラさんはまるで雷が落ちたかのような轟音と共にイッセー先輩の顎を殴り飛ばしました。


「……はっ!そよ風に当てられたようなもんだな!そらぁっ!」
「そっちこそ小石でも飛ばしたのか?フンッ!」


 そしてお互いノーガードの殴り合いに入りました。ドゴンッ、ガゴンッと人体を殴り合うような音とは思えない衝撃が辺りに響きます。


「な、なんて男らしい戦い方なんだ……!」
「まったく防御しねえな」
「イッセーはゼブラが相手になるとIQが下がるし」


 祐斗先輩は男らしい殴り合いに興奮じみた様子でそう言います。反対に冷めた目で見るアザゼル先生はそう感想を言ってリンさんが苦笑しながらそう言いました。


「くたばれや、この口裂け野郎!」
「はっ、こんなんでくたばるのは蟻くらいだな!」


 た、確かに普段の先輩が言わないような悪口の応酬もしていますね……


「ふう……少しは体も温まってきたな」
「ああ、そろそろギアを上げるとするか」


 溶岩の熱で既に熱いのに二人はそんな事を言いました。そして……


「10連釘パンチ!」


 イッセー先輩がゼブラさんの懐に入り込みお腹に拳を叩き込みました……って10連!?仲間に使う技じゃないですよ!?


「ほう、10連まで打てるようになったか……!」


 ゼブラさんは内部に衝撃が突き刺さっていってるにも関わらず口を開きました。


「ボイスショット!」
「げほっ!」


 先輩は凄まじい衝撃と共に吹っ飛んでしまいました。


「あれ大丈夫なの!?」
「ゼブラも一応手加減してると思う……し」
「自信なさそうですね……」


 リアス部長は慌ててリンさんにそう言いますが彼女は目を逸らしながらそう答えました。ルフェイさんも心配そうに呟きました。


「ぐっ……フライング・ナイフ!フライング・フォーク!」


 イッセー先輩は素早く立ち上がって連続でフライング・ナイフとフォークを放ちました。


「サウンドバズーカ!」


 しかしゼブラさんの発した衝撃に全てかき消されてしまいました。


「これならどうだ!レッグナイフ!」


 足から放たれた大きな斬撃がゼブラさんに向かっていきます。


「音壁!」


 ゼブラさんは音で出来た壁を複数出してレッグナイフの軌道をそらしました。


「はっ、音壁を8枚壊したか。パワーは上がってるみたいだな」
「くそっ、余裕そうにしやがって!」
「実際余裕だからな。それよりもイッセー、そんなのんびりしていていいのか?俺の攻撃はもう始まってるんだぜ?」
「なに?……しまった、サンダーノイズか!?」


 イッセー先輩の頭上にいつの間にか雷のエネルギーのような球体がありました。


「さあ落ちろ、音の落雷よ……!」


 そして次の瞬間先輩に目掛けてそのエネルギーが降り注ぎました。


「イッセー先輩!」


 煙が晴れて先輩が姿を見せると、先輩はフォークシールドで全身を隠して防御していました。


「ほう、フォークで防御したのか。あの猪突猛進だったお前が器用な真似をするようになったな」
「そっちこそサウンドバズーカを撃つ際にさりげなくサンダーノイズまで撃っていたとはな、全く気づけなかったぜ」


 先輩はそう言って立ち上がるとナイフの構えを取ってゼブラさんに向かっていきました。


「ひえぇ……こりゃ怪獣映画だな」
「凄いレベルの高い戦いですぅ、僕じゃ二人の動きを追いかけきれません……」


 アザゼル先生は二人の戦いがまるで怪獣映画のようだと話してギャーくんは目をグルグルにしていました。


「所でリンさん、さっきは色々あって聞けなかったけどゼブラさんは一体何をして刑務所に入れられる事になったの?」
「イッセーは食材を食べ過ぎたからって言っていましたけど……」


 リアス部長と朱乃先輩がリンさんにゼブラさんが犯した罪を聞いていました。


「食べ過ぎたって言うのはね、文字通りその生き物を一匹残らず食べちゃって絶滅させちゃったんだし」
「ええっ!?絶滅!?」


 絶滅と言う言葉にリアス部長は驚きましたが私達も驚きました。


 絶滅とは文字通りその生物が地球上から姿を消してしまう事です。その原因は環境の変化や人間による乱獲などですが一つの生物が絶滅すると生態系に大きな影響を与えると言われています。


 例えば嫌われ者であるゴキブリ、彼らが絶滅するとゴキブリを餌としていた生物が餌を取れなくなり更にその生物を餌にしていた猛獣もエサを取れなくなる……という負の連鎖が起こってしまいます。


 だからこそどんなに嫌っていても絶滅させてはいけないんです、それが自然なのです。


「ゼブラは四天王の中でも聴覚に優れていて音を操り全てを破壊してきた。そして自分が『チョーシ』に乗ったと思ったり味を気に入った生物を絶滅するまで食い殺すんだし」
「ほ、本当ですか!?」
「本当だよ、ゼブラはこれまでに26種類もの生物を絶滅させたの。だからこそゼブラはこのG×Gの人間界で最も恐ろしい生物だって言われているんだよ」
「そんな……」


 一つの生物を絶滅させるだけでも大罪なのに26種類もの生物を……!?そんなの生態系に多大な影響を与えてるじゃないですか……!とんでもない悪人です!


 皆ゼブラさんの犯した罪を聞いて顔色を変えてしまいました。無理もありません。下手をしたら自分達だって絶滅されかねません、そう思えば誰だって怖くなります。


「よっしゃ!コイツで決めてやる!」


 イッセー先輩は右手に力を込めて跳躍しました。


「ふん、まだ未完成だがお前相手なら丁度いいか」


 対するゼブラさんも右手を拳にして迎撃する態勢に入りました。


「15連釘パンチ!」
「ビートパンチ!」


 そして二つの拳がぶつかり合い凄まじい衝撃が生まれて二人が吹っ飛ばされてしまいました。


「ぐおぉぉぉぉっ!?」
「ぬうぅぅぅぅ……」


 二人は大きく後退しながらも体勢を素早く立て直して立ち上がります。


「まさか15連を相殺されるとはな……!」
「チッ、未完成とはいえ押し切れなかったか」


 二人は更にヒートアップして殴り合いをはじめました。


「所長、そろそろ止めた方が……」
「そうね、これ以上はハニープリズンの方がダメージを受けそうだし……あら?」


 ラブ所長が二人を止めようとしましたが大きな地響きが起こりました。


「ガアアァァァァァァッ!!」


 そしてマグマの中から巨大な亀が現れました。


「あれは森の魔物『マグマトータス』!」
「マグマトータス?」
「モンスターシーズンに目覚める捕獲レベル70の凶暴な亀です!」


 マグマトータスについてオーバンさんが教えてくれました。


「おかしいわね、今はマグマシーズンだから冬眠してるはずなんだけど……」
「恐らく今年のモンスターシーズンは例年より猛獣の数が少なかったため十分なエサが取れなかったのではないでしょうか?」
「そういえば今年は猛獣の数が少なかったわね。腹を空かせたマグマトータスが目を覚ましたからこんな時に出てきちゃったのね」


 ラブ所長の話を推測するとモンスターシーズンで猛獣の数が少なかったためお腹を空かせて目を覚ましてしまったみたいですね。


(そういえば前に戦ったアーサーが死季の森がどうとか言っていたな、もしかしてあいつらが……)
「あのクソ亀、俺達の喧嘩を邪魔しやがって……チョーシに乗ってやがるな」


 ゼブラさんは苛ついた顔でマグマトータスを睨みつけました。マグマトータスは私達を餌だと判断したのか凄い勢いでこちらに向かってきました。


「イッセー、喧嘩は中断だ。あのクソ亀をぶっ殺す」
「待てよ、俺だってこのままじゃ消化不良だ。俺もやる」
「ならどっちが先にアイツをぶっ殺すか勝負と行こうじゃねえか」
「乗ったぜ」


 二人は笑みを浮かべるとマグマトータスに向かっていきました。マグマトータスは二人に向かってマグマの塊を吐き出します。


「ボイスバズーカ!」
「レッドホット・フライング・ナイフ!」


 ゼブラさんは大きく息を吸い込んでまるでミサイルを発射したかのような一撃を放ちます。イッセー先輩は右手に炎を纏い赤龍帝の籠手で倍加した巨大な赤いナイフを放ちました。


 その二つの一撃はマグマトータスの攻撃を簡単に打ち消して巨大な爆発を生み出しました。そしてイッセー先輩はドラゴンの羽を背中に生やして、ゼブラさんは音を纏って高速移動してマグマトータスに接近していきます。


「15×2で30!ブーステッド……」
「ビート……」


 そして煙が晴れてボロボロのマグマトータスの顔面に同時に叩き込みます。


「釘パンチ!!」
「パンチィ!!」


 その二つの攻撃を受けたマグマトータスは背中の火山のような甲羅を砕かれ全身から真っ赤な血を流して絶命しました。


「ご馳走様でした……見たかゼブラ兄!今のは明らかに俺が早かっただろう!」
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ、俺が先にぶっ殺したんだ」


 そして横たわるマグマトータスの上に着地した二人はそのまま喧嘩を始めてしまいました。


「とんでもないわね……」
「ええ、わたくしあの人と旅をして大丈夫なのか不安になって来ましたわ……」


 イッセー先輩の人柄は知ってるので問題ありませんが、26種類もの生物を絶滅させたゼブラさんとこれから旅をすると思うと皆の顔に不安が走っていました。


「ところでイッセー、お前その赤い腕はなんだ?」
「コイツは赤龍帝の籠手と言って俺の力を倍加してくれるんだ?」
「なにぃ?じゃあてめぇさっきは手加減していたとは抜かすんじゃねえだろうな」
「違うよ。コイツは大事な相棒だけどアンタには自分の力で勝ちたかったんだ」
「……ふん、嘘じゃねえみてぇだな。まあいい、今はこの亀をどうやって食べるかが大事だ」
「なら俺のコンビに料理してもらおう、さっきゼブラ兄に話しかけてきた可愛い女の子がそうだ。滅茶苦茶美味い飯を作ってくれるから期待してな」
「まあ美味けりゃ文句はねぇよ」


 ……この冒険、今までで一番苦労しそうですね。気を引き締めて行かないといけません。


 あっ、でも先輩が可愛いって言ってくれたのは嬉しいです♡



―――――――――

――――――

―――


「お待たせしました、最後の料理です」


 私は作った料理を長いテーブルに置きました。イッセー先輩やゼブラさんもお腹を空かせているでしょうし張り切って作りました。


 因みに今は包丁をルキさんに作ってもらっているので代わりの包丁を借りています。この包丁も良い包丁ですね、ルキさんが大事に手入れしてきたのが分かります。


「ご苦労様、小猫」
「あれ?先輩とゼブラさんはいないんですか?」
「ゼブラさんは分からないけどイッセーは携帯を持って出たから電話してるんじゃないかしら」
「ごめんごめん、待たせたな」


 先輩やゼブラさんの姿が無かったので部長に居場所を聞いてみると丁度イッセー先輩が戻ってきました。


「先輩、誰からの電話だったんですか?」
「節乃お婆ちゃんだよ、まあ大したことじゃない」
「そうですか……」


 節乃さんからの電話と聞いてちょっと内容が気になりましたがまあ先輩がそう言うなら問題は無いと思います。


「まったく……刑務所で出所祝いだなんて前代未聞よ。まあゼブラちゃんの為なら仕方ないけど」
「ははっ、すみませんね……」


 ラブ所長は呆れたようにそう言いました。食材は自前ですけどまあ刑務所で出所祝いなんて今回だけでしょうね。


「そういえばゼブラさんがいないんですけど先輩何か知りませんか?」
「ゼブラ兄なら囚人たちに挨拶をしに行ってるんじゃないか?」
「挨拶……?なるほど、今までお世話になった人たちへのですね」


 なんだ、ゼブラさんって礼儀がある人なんですね。義理堅くて良い人じゃないですか。


「そんな良い奴じゃないし。大方今まで自分の悪口をコソコソ言っていた奴らをぶっ殺しに行ってるんじゃい?本当に喧嘩っ早い奴だし」
「そりゃこの世で戦闘以上に刺激的なモンなんてねーからな。まあ今日は気分が良いから半殺しで済ませてやったがな」
「うわぁっ!?」


 リンさんの言葉と同時にゼブラさんが血まみれで現れました。ギャーくんやアーシアさんは悲鳴を上げて私も驚いてしまいました。


「騒ぐな、小娘。唯の返り血だ」
「ひっ……」


 ギロリと睨まれた私は怯えてしまいました。


「おい、やめろゼブラ兄」
「あっ?」


 そこに先輩が現れてゼブラさんの頭を掴みました。


「俺の大切な子を怖がらせるんじゃねえよ」
「おい、誰の頭を掴んでんだ?チョーシに乗ってるんじゃねえぞ、イッセー。なんならさっきの続きでもするか?」


 先輩とゼブラさんはそういってにらみ合います。


「うらやましいわねぇ、喧嘩するほど仲がいい……でも今は仲良くしましょう♡」
「……はい♡」


 そこにラブ所長が出てきてフェロモンを使って先輩を落ち着かせました。むう、私や仲間以外の女性にデレデレするなんて……プンプンです!


「なんだてめぇ?」
「もぉ~う、どうしてあんたには利かないのよゼブラちゃん!」
「何がだ?」
「フェロモンよ」
「なんだそれ、食えるのか?」


 しかしゼブラさんには一切効果がありませんでした。


「おーいゼブラ兄!早くこっちに来て飯にしようぜ!出所祝いだ!」
「ん、ああそうだな。喧嘩は後にするか」
「喧嘩はもういいよ!」


 そして何とか落ち着いた彼らは食事を始めたのですが……


「凄い勢いで料理が無くなっていくわね……」
「いつもの倍以上の速さですわ」


 圧倒的な速度で無くなっていく料理にリアス部長と朱乃先輩が呆気に取られていました。ゼブラさんはイッセー先輩に匹敵するくらいに食べています。


「うんめぇ~!マグマトータスの照り焼き!皮はパリパリ!身はプリプリですっぽんみたいな触感!噛めば噛むほど味が出てくる!タレはマグマトータスの溶岩を使ってるのか!」
「はい、マグマトータスの溶岩にその血と4種類の果物などを使いました」
「このタレが肉の味を引き立たせてるんだよな!ゼブラ兄、どうだ?俺の自慢のコンビの料理は!」
「……」
「いやなんか言えよ!」


 イッセー先輩の質問にゼブラさんは何も言わずに黙々と食べ続けていました。そしてあれだけあった沢山の料理は二人の胃の中に消えていきました。


 まあ私やゼノヴィアさん、イリナさんもかなり食べましたけどね。


「いいゼブラちゃん?あんたには500人の指名手配犯の捕獲と100種類の新種の食材の発見を命じるわ、これが出所の条件よ」
「おいイッセーこの俺を誘いに来たんだ、美味い食材なんだろうな?」
「ちょっと聞きなさいよ!」


 ラブ所長がゼブラさんの出所の条件を言いますが、ゼブラさんはそれをガン無視で今回自分を迎えに来てまで誘った理由の食材を先輩に聞いてました。


「ああ、メロウコーラっていう人間界で一番美味いコーラが今回のターゲットだ。ゼブラ兄はコーラが好きだろう?飲む価値あるんじゃねーか?」
「ふん、ガキじゃあるまいし……」
「じゃあその口から出てる滝みたいな涎は何なんだよ……」


 ゼブラさんの口からは大量の涎が出ています、コーラが好きなんですね。


「おい小娘」
「あっ、はい!」


 ゼブラさんが急に私に声をかけてきたのでびっくりしちゃいました。


「今食った料理、お前が作ったっていうのは本当か?」
「は、はい!イッセー先輩の義理のお兄さんですので私が一生懸命に作らせていただきました!お、お味の方はどうでしたか……?」
「……」


 ゼブラさんにそう聞きますが彼は何も言わず私をジッと見ていました。


(……脈拍、呼吸音、特に変わりなしか。つまりこの小娘は本心で俺に喜んで欲しくて料理を作ったのか。そういえばコイツは道中でイッセーに俺の好物を聞いていたり調理中もメニューや味付けに気を使っていたな……ふん、気に入らねえ)


 ううっ、何か言ってほしいです……


「小娘」
「は、はい!」
「チョーシに乗るなよ?」
「えっ?」


 な、なんでいきなりこんな事を言われたんでしょうか?


「俺ぁよ、チョーシに乗ってる奴が一番嫌いなんだ。見てるとグチャグチャにひねりつぶしてやりたくなる、一匹残らずだ」
「えっ……あっ、はい……調子に乗りません……」


 なにか不快にさせるようなことをしてしまったのでしょうか、私……


「ちょっと!いくらイッセーのお兄さんでも小猫に何かする気なら許せないわよ!」
「部長……」


 そこにリアス部長や他のメンバーが来て私を庇ってくれました。


「……」
「な、なによ……怖くなんかないんだからね!」
「……ふん」


 ゼブラさんはそう言うと席に座りました。


(こいつらも嘘はついてねえな、多少の怯えはあるが俺に立てつくか。イッセーと一緒に行動するだけの根性はあるって事か)


 ゼブラさんはお酒を飲みながらイッセー先輩に笑みを浮かべて話しかけました。


「中々楽しい旅になりそうだな、イッセー」
「だろう?」


 その言葉に先輩も笑みを浮かべてそう返しました。


「じゃあ行くか、美味いコーラを飲みにな!」


 こうして私達はゼブラさんを仲間に加えてメロウコーラがあるというグルメピラミッドの存在する砂漠『サンドガーデン』に向かう事になったのでした。







――― オマケ オリジナル技紹介 ―――


『ボイスショット』


 音の弾丸を放つ技。予備動作が殆ど無いので素早く放てる。


『未完成ビートパンチ』


 原作でも使ったビートパンチの未完成バージョン。当然原作より威力は落ちているがこの時点で15連釘パンチを相殺する威力がある。
 
 

 
後書き
 祐斗だよ。最後の四天王ゼブラさんを仲間にしたけど本当に大丈夫かな……もしもの時は僕が騎士として部長や皆を守らないと。


 そして舞台は砂の世界サンドガーデンに移り遂にグルメピラミッドを目指す事になったんだけど……ええっ!?ゼブラさんと一緒にご飯を食べて来いだって、イッセー君!?


 次回第111話『やってきました砂の世界!四天王ゼブラという男!』で会おうね。


 次回も美味しくいただきます……だね。 
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