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神々の塔

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第十九話 悪魔の正義その六

「むしろな」
「神の方がやな」
「どうかという行いがあるわ」
「そやな」
「まあどの神話でもな」
 リーはこうも話した。
「神様でどうかっていう行いはな」
「見られるな」
「心があったらな」
「そうした行いもあるか」
「そやろ、人も間違えてな」
「神もやな」
「間違いを犯さん神は」 
 それはというと。
「もうな」
「アッラー位か」
「イスラム教のな」 
「あの宗教はな」
「過ちを犯さんが」 
 それでもというのだ。
「あの宗教位やな」
「そやな」 
 それはとだ、羅も言った。
「やっぱり神でもな」
「間違える、しかしな」
「しかし?」
「邪悪かというとな」
「ちゃうか」
「そやろ、それでキリスト教の悪魔もな」
「邪悪か」
 リーに顔を向けて問うた。
「それはな」
「ちゃうな」
「そや、ほんまの邪悪は」  
 それはというと。
「腐れ外道というかな」
「吐き気を催す邪悪とかやな」
 羅は言って来た。
「要するに」
「人の中におるな」
「そうした連中こそやな」
「悪でな」
 それでというのだ。
「キリスト教の悪魔はな」
「決してやな」
「悪やない」
「むしろ魔神の正義がある」
「そうした存在や」
 リーは羅に話した。
「今更階級とかでも正義や悪やってな」
「共産主義でもな」 
 羅もそれはと言った。
「言わんわ」
「そやな」
「我が国でもな」
 羅は起きた世界の話自分達の国家である中国のそちらの世界でのことを話した。
「もうな」
「そんなん言わんな」
「昔は言うてたけどな」
 毛沢東の頃はというのだ。
「そやけどな」
「今はやな」
「資本家とか地主とかな」
「それだけで悪とはな」
「言わんわ」
「そやな」
「ほんまの悪はな」
 そう呼べる存在はというと。
「それぞれや」
「人のな」
「そや」
「吐き気を催す邪悪」
 シェリルはその目を険しくさせて言った。 
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