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神々の塔

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第十九話 悪魔の正義その二

「今言った通りな」
「悪魔とは神に敵対しているだけで」
「キリスト教の神とな」
「キリスト教の神を絶対の正義としなければ悪とならない」
「失楽園を見るのだ」
 ミルトンが書いたこの書をというのだ。
「悪魔は悪に見えるか」
「いえ、何か必死に前を向いて戦っていて」
 綾乃が応えた。
「真面目で公や部下、同志のことを皆で考えていて」
「悪とはだな」
「思えんかったです」
「そうだ、我々は我々の考える正義に基づいてだ」
 そのうえでというのだ。
「法やモラルを守ってな」
「動いてますか」
「だから邪悪かというとな」
「ちゃいますね」
「そうだ、だからこの塔にも来てな」
「うち等に試練を与えることもですね」
「行うのだ、神霊としてな」
 この世界を守護するというのだ。
「そうしているのだ」
「そうですか」
「それでだが」
 さらにだ、ナベリウスは綾乃に話した。
「これからそなた達と戦うが」
「もう宿屋には泊まりました」 
 そうして体力と気力を回復させて身体を清めたとだ、綾乃はナベリウスに真面目な顔ですぐに答えた。
「そうしてきました」
「わかった、ではな」
「これからですね」
「戦うぞ」
 こう告げてだった。
 グリモワールの魔神達のうち数柱が綾乃達との戦闘に入った、するとだった。
 芥川はすぐにだ、仲間達に言った。
「悪魔系の神霊には大きな特徴があるで」
「皆闇属性なのよね」
「そや」 
 アレンカールにその通りだと答えた。
「悪魔の君主達やかさいな」
「悪魔は闇属性やから」
「その君主達もな」
「闇属性ね」
「そうなってるわ」
「そうよね」
「そやからな」
「闇に強い属性になって」
「それでや」 
 そのうえでというのだ。
「戦うんや」
「そうすると有利に立てるわね」
「そしてそれぞれの魔神で特徴がある」
 闇属性であることとは別にというのだ。
「そこを踏まえてな」
「戦っていくことね」
「そうしたらええ、ほなな」
「属性を変えていくわね」
「そうするで、全員な」 
 闇に強い属性にとだ、こう話してだった。
 十人はまずは武器や防具の属性を闇に強いものにしてだった。
 そのうえで戦いに入り術やブレスもだった。
「闇に強いブレスをやね」
「吐くわ」
「そうしていくわ」 
 八岐大蛇は実際にそうしたブレスを八つの頭からそれぞれ放ちながら自分の背中に乗っている綾乃に話した。 
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