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イベリス

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第百話 夏の終わりその二

「それは誰だってでしょ」
「快適になのね」
「夏でも冬でもね」
「夏は涼しくで」
「冬は暖かくよ」
「つまり適温ね」
「そう、出来るだけね」
 こう娘に言うのだった。
「それが一番よ」
「だから冷房も煖房もあるのね」
「その通りよ、どちらもないと」
 それこそというのだ。
「暮らしにくいでしょ」
「クーラーもヒーターもね」
「せめて扇風機やストーブがないとね」
「暮らせないわね」
「確かに節電して」
 そうしてというのだ。
「家計のことは考えるべきよ」
「それはね」
「けれど変に意識して」
 そうしてというのだ。
「我慢し過ぎてね」
「無理してなのね」
「熱中症とか風邪とかひいたら」
 それこそというのだ。
「意味ないから」
「それでなのね」
「そうしたものを利用して」 
 そのうえでというのだ。
「暮らすべきよ」
「そういうことね」
「そうよ、熱中症とかになったら」 
 咲にさらに言った。
「元も子もないからね」
「だからよね」
「無理はしないで」
 その範疇でというのだ。
「使うべきよ」
「そういうことね」
「それをしてね」
 そのうえでというのだ。
「快適によ」
「過ごすことね」
「要するにね」
「それが大事なのね」
「あのね、無理をして」
 そうしてというのだ。
「身体壊してどうするのよ」
「そうなったら本末転倒?」
「お金と健康どっちが大事よ」
「健康よね」
「健康で生きていてこそ」
 そうであってこそというのだ。
「お金も使えるでしょ」
「その通りね」
「だからね」
「快適になのね」
「過ごす為にもね」
「そうしたものは使うべきね」
「それでも普通に過ごせたら」
 冷房それに煖房を使わずにというのだ。
「最適だからね」
「今はもっと涼しくなるとなの」
「お母さんも嬉しいわ」
「そういうことね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「本当にね」
「そういうことね」
「ええ、だからこれからね」
「強い雨が降って」
「一気に冷えたらね」
「もっといいのね」
「そう思ってるわ」
 咲に切実に話した。 
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