ウォンバットの夫婦
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第一章
ウォンバットの夫婦
シドニー郊外の山で暮らしその山自体を自分の土地にしているポール=ジョンストン髪の毛は前からつむじの部分までなくなり残りは白くなり口の周りに白い髭を生やした初老の男性は今妻のエリサやはり初老で太った白髪頭で眼鏡をかけた彼女に仕事が終わって夕食を食べたその時に笑って話した。
「今夜もな」
「そろそろ来るわね」
「帰って来るな」
「そうよね、あの子が」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「あの子が来たらな」
「そうしたらね」
「またな」
「一緒に寝るのね」
「そうしような」
夕食後のビールを楽しみつつ話した、そして。
夫婦で家に来た雄のウォンバットを迎えて笑顔で言った。
「お帰り、ブル」
「じゃあ今夜もうちで寝てね」
「クゥ」
ブルと呼ばれた雄のウォンバトは二人に顔を向けて親し気に鳴いてだった。
二人の寝室に入り一緒に寝た、夫婦はそんな彼と幸せな夜を過ごしたが。
ある日山の中にもうけた二人の自宅の傍にあるブルの家に二人で行くとだった。
そこにもう一匹雌のウォンバットがいた、ジョンストンはそのウォンバットを見てエルザに言った。
「クゥッ」
「奥さんか?」
「そうみたいね、じゃあこの娘もね」
「一緒に飼うか」
「そうしましょう、じゃあな」
「まず獣医さんに診せましょう」
「ブルもそうしたしな」
「それじゃあな」
こう話してだった。
二人でそのウォンバットを獣医に連れて行った、すると。
「へえ、この娘にはか」
「GPSが付いています」
「じゃあ管理されてるんだな」
ジョンストンは獣医の話を聞いて動物病院の中で獣医に応えた。
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