急に黒髪になって

　　　　　　　　　　　　　　　急に黒髪になって
　高校二年生の青羽未可子は長く伸ばした髪の毛を金髪にしていてファッションはかなり派手だ。それはかなりスカートを短く折って首元を開けた薄茶色のタートンチェックのスカートと青のブレザーと白のブラウスと赤いリボンの制服でもだが。
「お前ガラ悪過ぎるだろ」
「ファッション位いいでしょ」
　派手なメイクの顔で言う、首にはネックレスが幾つもありブレスレットも多く爪は様々な模様の付け爪で飾ってクラスメイトの斎藤仁太小学校の時唐の腐れ縁で黒髪をショートにしていて卵型の顔で穏やかな顔の彼に言った、彼の背は一六〇センチの未可子より十センチ位高い。制服はリボンがネクタイにスカートがズボンになった風だ。
「別に」
「真面目に学校来て勉強してか」
「部活も委員会もちゃんとしてるし」
「生活自体はそうだな」
「だったらいいでしょ」
「ファッションはファッションか」
「じゃああんた人を外見で判断するの？」
　未可子は斎藤に言い返した。
「それってよくないわよ」
「けれどお前のファッションはな」
「派手過ぎてっていうのね」
「ドキュンにしか見えないぞ」
「ドキュンじゃないわよ、いかしてるのよ」
「何処がだよ」
「まあ私はこれがスタイルだから」
　自分のというのだ。
「これでいくわ、それで彼氏もゲットよ」
「変な彼氏引っ掛けるなよ」
「ちゃんと人を見る目はあるわよ」
　未可子はあっさりと返した、兎角彼女のファッションは派手だった。生活態度は兎も角そうしたものだった。
　だがある日急にだ。
　未可子は学校から消えた、そして代わりに黒髪でナチュラルメイクにしてアクセサリーも付け爪もない楚々とした少女が現れた。
　その少女が誰か学校の殆どの者が驚いたが。
　その少女にだ、斎藤は言った。
「お前中学の頃に戻ったな」
「流石に小学校の時から一緒だけあってわかるわね」
「それも一年の頃からだからな」
　その少女未可子ｎ言った。
「わかるよ」
「あんたはそうよね」
「ああ、それで何で急に元に戻ったんだ」
「いや、実は前まで前田慶次さんが好きで」　
　戦国時代、安土桃山時代、江戸時代に生きた傾奇者がというのだ。
「そうしたね」
「そういえば傾奇者だったな、前のお前」
「それでそうしたファッションをね」
「意識してたんだな」
「けれどね」
　それがというのだった。
「ちょっと帝国海軍を見たら」
「恰好いいって思ったんだな」
「今の自衛隊の人達もね」
「あの人達髪の毛染めたりメイクとかしないしな」
「基本そうでしょ、それであの軍服が恰好いいって思って」　
　それでというのだ。