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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その四十三

「常に」
「永久に前に進む、ですか」
「それも必死に」
「さながらですね」
 連合の発展の話をここまで聞いてだ、議員はある物語を思い出した。それで八条に対してその物語の名前を出した。
「不思議の国のアリスか」
「鏡の国のアリスですね」
「そうしたお話ですね」
「どちらのアリスかというと」
「少し思い出せませんが」
「トランプの王様や女王様が出て来るのが不思議の国のアリスです」
 八条もその物語の話に乗った、そのうえでの言葉だ。
「ジャバウォークやスナークの話が鏡の国で」
「そちらのアリスですね」
「さて、それは必死に進まないと前に進めないお話でしたね」
「そのお話でしたね」
「どちらだったか」 
 八条もだった。
「私も咄嗟にはです」
「思い出せないですか」
「どうも、ですがそのお話は」
 その前に進む逸話自体はというのだ。
「資本主義を表していますね」
「それを風刺したものですね」
「はい、ですが」
「それは、ですね」
「国家はそうあるべきであり」
「そうでなければならないですね」
「常に発展しなければ」
 そうしなければというのだ。
「他国に後れを取ります」
「そうしてですね」
「国防にも関わります」
「弱い国は飲み込まれる」
「そうです、そして実際にです」
「かつて連合の多くの国は植民地になりましたね」
「そう考えますと」
 歴史から考えてもというのです。
「国家とはです」
「常に全力で前に進み」
「発展し続けるものであり」
「そうしなければならないですね」
「若し他国に後れを取り」
「飲み込まれたくないのなら」
「そうあるべきです」
 まさにというのだ。
「何ががあろうとも」
「厳しいものですね」
「そうですね、ですが」
「それが国家であるとですね」
「私は思います。連合は実際にです」
「そうしてでしたね」
「発展してきましたし」
「これからもですね」
「その様にして」
 そしてというのだ。
「巨大になり続けるべきであり」
「日本もそうであり」
「連合全体がです」
「発展すべきですね」
「はい、自分より身体が大きなものは普通飲み込めないです」
「生物は」
「極めて特殊な生物でない限り」 
 深海魚にそうした種類のものもいる、だがそうした生きものにしてもそうした獲物を飲み込んだ後は大変なことになる。何しろ自分より大きな存在が身体の中に生きたまま入りそれで暴れるからである。 
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