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八条学園騒動記

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第六百九十八話 本当に全くわからないその十三

「やっぱり」
「その通りだな」
「若しね」
「優れた人材がだな」
「むざむざね」
「処刑されるよりはな」
「例え捕まってもね」
 これが失態であることは事実でもというのだ。
「いいでしょ」
「金を払うな」
「ええ、だからね」
「エウロパの工作員は捕まえたらか」
「テロに関わっていない限りはね」
「命は保証してか」
「身代金を要求したらね」
 彰子はあくまでこう言うのだった。
「いいのよ」
「そういうことだな」
「そう、殺したらね」
「それまでだな」
「けれどね」
「殺さずにな」
「そうしたらね」
 それならというのだ。
「色々出来るわ、いやトルコもね」
「頭がいいな」
「オスマン=トルコの頃のことだけれど」
 この時代のトルコとは国家システムが違うがというのだ。
「いい考えでね」
「やり方だな」
「私それ聞いて」
「いいと思ったんだな」
「頭がいいってね」 
 その様にというのだ。
「本当にね」
「そうだったか」
「ええ、ただ強いだけじゃなかったのよ」 
 オスマン=トルコという国はというのだ。
「そうして頭もね」
「よかったか」
「あと身代金払わなかったら奴隷にしても」
 その捕虜達をというのだ。
「改宗したら解放することも」
「いいな」
「それで奴隷でなくなるってね」
 イスラム教に改宗すればというのだ、イスラム教圏では奴隷はあくまで異教徒であると定められていたのだ。
「凄いわよね」
「それも布教の一環だっただろうな」
 ダンはここでこの現実に思い至った。
「それで奴隷でなくなるならな」
「改宗する人も多いわね」
「そうだな」
「それにイスラム教への改宗ってね」
「今も楽だな」
「夢で誰かに言われたとか言えば」
 改宗を勧められた、というのだ。
「もうね」
「改宗出来るな」
「連合でもね」
「あそこは寛容な宗教だ」
 ダンが見てもだ。
「すぐにだ」
「改宗出来るわね」
「だからあそこまでだ」
「信者さんも多いわね」
「好戦的かというとな」
「違うしね」
「サハラは戦争ばかりだがな」
 だがそれもオムダーマンとティムール二国だけとなっている。 
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