| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六百九十八話 本当に全くわからないその八

「ハプスブルク家の」
「ハプスブルク家は今王室だったな」
「オーストリア王家ね」
「それで他の国もか」
「プロイセン王国もね」
 この国もエウロパには存在しているのだ。
「昔はドイツ皇帝でもあったけれど」
「今は王家に戻っているか」
「そうだしね、何処もね」
 それこそというのだ。
「エウロパは王室とか大公家で」
「皇室はないか」
「それで日本は皇室だから」
 大国であるだけでなくというのだ。
「しかも四千年の歴史があるから」
「エウロパにそこまで古い家はないな」
「ローマ帝国以前だからね」
 共和制ローマでもかなり古い時代である。
「聖書の時代だから」
「こう話すとつくづく日本の皇室の歴史は凄いな」
 ダンは今思った。
「つくづく」
「奇跡よね」
「四千年だからな」
「それだけの歴史があるってね」
「もうな」
 それこそというのだ。
「奇跡だ」
「それだけ続いてるとなると」
「あのエウロパでもな」
「そこまでの歴史ある国はないし」
「家だってな」
「ないわよ」
 七海は言い切った。
「一つもね」
「そうだよな」
「ハプスブルク家もウィンザー家も」
「ブルボン家もだな」
「ええと、ヴィッテルス」
 ここで七海は言葉を詰まらせた。
「ヴィテルスバッハ家?」
「そうだ」
 ダンはその通りだと答えた。
「バイエルン王家だな」
「そうそう、あの国のね」
「王様だな」
「そうだったわ」
「ルードヴィヒ二世の家だな」
 十九世紀のバイエルン王である。
「狂王と呼ばれた」
「あの人のお家ね」
「あの人が狂ったかどうかは兎も角な」
 このことはこの時代ではほぼ否定されている。
「あの家も古かったな」
「むしろハプスブルク家よりもね」
「そうだったな」
「それでね」 
 七海はさらに話した。
「そのヴィッテルスバッハ家でもね」
「日本の皇室と比べるとな」
「全然ね」
 それこそというのだ。
「及ばないのよね」
「その歴史はな」
「何しろカール大帝の頃には」
 この頃の欧州ひいてはドイツにはというのだ、カール大帝はドイツという国の祖という一面もあるのだ。
「もうね」
「皇室はあったな」
「ごく普通にね」
「日本の歴史はあってな」
「皇室もね」
 この家の方々もというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧