| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十七話 海の家から移りその六

「兎に角ギャンブルはね」
「自分が賭けると損をする」
「儲かるどころかね」
「そうなるもので」
「しないにね」
「越したことはないわね」
「本当にそう思うわ」
 五人で新しいアルバイト先に行く電車の中でこんな話をした、そしてそのアルバイト先に入るとだった。
 海の家の店長がそのままいて五人に言ってきた。
「今日からはこっちでお願いね」
「はい、お願いします」
 五人で頭を下げて応えた。
「今日からも」
「こちらもね、売るのはアイスとかき氷よ」
 店長は売るものの話もした。
「お客さん来たら宜しくね」
「はい、ただ」
 一華は応えつつ店長に尋ねた。
「店長さん今も水着ですか」
「プールサイドだからね」  
 店長は平然と答えた、頭には阪神タイガースの帽子黒と白の縦縞のそれがあってだ。
 黄色いティーシャツの下は黒ビキニ一枚だ、その恰好で応えたのだった。
「だからね」
「その恰好ですか」
「休憩は行ったらプールで泳ぐし」
「そうされますか」
「ええ、もうシャツ脱いだら」
 それでというのだ。
「すぐにね」
「泳げるんですね」
「そうなのよ」
「そうですか、ですが」 
 一華は店長の水着姿を見つつさらに言った。
「これまた随分と」
「刺激的な恰好だっていうのね」
「店長さんスタイルいいですし」
「ナンパされたりとかなのね」
「されません?」
「今はプール誰もいないし男の人来たらね」
 店長は何でもないという口調で答えた。
「用意してるから」
「その時はですか」
「ええ、ズボン穿くから」
「そうされますか」
「膝までのね」
「だからですか」
「大丈夫よ、海の家ではカウンターに隠れてね」 
 今の様な姿でもというのだ。
「普通にね」
「見えなかったですね」
「見えないならいいのよ」
 店長は笑ってこうも言った。
「あと彼氏と二人だけの時は」
「そうした格好でも」
「そうよ、水着や下着とズボンならね」
「全然違いますね」
「もう水着とか下着になると」
 そうした格好ではというのだ。
「相手もついついね」
「むらむらきますね」
「あんた達が言う位だしね」
「はい、そうした気持ちにはならないですが」
 それでもとだ、一華は答えた。
「やっぱり」
「気になるわよね」
「声かけられたりしないか」
「見られてもいい時もあるけれどね」
「海水浴場で言われましたね」
「けれど今はね」
 プールではというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧