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イベリス

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第九十八話 母の法事その四

「悪い人はな」
「いるわね」
「それは人それぞれだからな」
「お仕事で区別しないことね」
「ああ、学校の先生は聖職者とか先生様と呼ばれていたけれどな」
 それでもというのだ。
「問題のある先生なんてな」
「滅茶苦茶多いわね」
「もう日本でもダントツにな」
 それこそというのだ。
「変な人が多いな」
「それが現実よね」
「ああ、だからな」
「お仕事でよね」
「人を判断しないことだ」
「そのことも大事ね」
「聖職者とか先生様とかな」
 その様にというのだ。
「言われてもな」
「実は違うのね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「それどころかな」
「変な人が多いわね」
「学校の先生はな、大学教授もな」
「学校の先生よね」
「どれだけ変な人が多いかな」
「テレビとかネット見ていたら」
 それこそとだ、咲も答えた。
「大学の教授さんってね」
「おかしな人多いな」
「そうよね」
「ああ、昔からな」
「そうした人多かったのね」
「大学の先生はな」
 まさにとだ、父は真顔で話した。
「それで今もな」
「そんな人が多くて」
「だからな」
 それでというのだ。
「本当に仕事でな」
「人を区別しないことね」
「ちゃんとその人を見てな」
 そしてというのだ。
「判断するんだぞ」
「お仕事でなくて」
「人を尊敬するにもな」
「その人自体を見ることね」
「どんな仕事でもちゃんとした人はいてな」
 そしてというのだ。
「立派な人だってな」
「いるのね」
「ただ、ヤクザ屋さんや麻薬の密売人とかはね」 
 母はアウトローの世界の話もしてきた。
「わかってると思うけれど」
「犯罪だからね」
「もう悪い人がね」
 それこそというのだ。
「やってるのよ」
「そうよね」
「もうこうした人達は」
「そこにいるだけで駄目ね」
「ヤクザ屋さんであるだけでね」 
 最早というのだ。
「もうね」
「やっぱりそうよね」
「まともな人ならね」 
 母は咲に強い声で話した。
「そもそもヤクザ屋さんにはならないでしょ」
「麻薬の密売人とかね」
「だからよ」
「そうした人はお仕事だけでアウトね」
「尊敬どころか」
「お付き合い自体が駄目ね」
「そうよ」
 まさにというのだ。 
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