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仮面ライダーファイズ 小さな星の話

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第三十五章

「まさかここでやられるなんてね」
 影山は四人を見て言ってきた。
「やってくれるわ」
「危なかったわ」
 長田は彼女にそう返す。
「今の賭けに負けていたら」
「そう、賭けだったの」
「こっちもだ」
 海堂も今何とか立っているという有様だった。
「切り札だったからな。あれが外れていたらな」
「俺の勝ちだったか」
 ジェイはそれを聞いて呟いた。
「澤田、これで終わりだな」
「まさかそう仕掛けて来るなんてな」
「俺だってな。負けるわけにはいかないからな」
 三原は人間の姿でふらふらになりながらも述べる。その横には草加と北崎がいた。
「僕が負けるなんて・・・・・・」
「これで仇は取った」
 草加は彼に対して言う。
「俺自身のな」
 四人は灰となり消えた。ラッキーグローバーとの戦いも今ようやく幕を下ろしたのであった。しかし戦いはまだ続いていた。
 木場と村上、乾とレオの戦いは続いていた。村上はやはり強かった。
 それでも木場はオーガの力もあり何とか戦っている。それでも劣勢は否めなかった。
「ふふふ、その程度ですか」
 村上が彼に対して言う。
「オーガの力、思った程ではなかったですね」
「まだだ」
 薔薇の嵐とその打撃を受け続けても木場は立っていた。
「俺は決めたんだ。もう迷わないって。だから」
「では来るのです」
 村上はその彼にまた言う。
「貴方の力を見せてはどうですか」
 また攻撃を浴びせる。一撃一撃がオーガを揺らす。
「うう・・・・・・」
「帝王のベルトもその程度なのですか」
「帝王のベルトだと」
「はい。このベルトはデルタを参考に作られたものでしてね」
 村上は今彼に対して述べる。
「サイガのベルトと共に作ったのですよ。サイガが天、オーガが地」
「その帝王のベルトでまたスマートブレインは王を守るつもりだったのか」
「そうだったのですよ。どういうわけかオーガは貴方の手にあるのですがね」
「では逆に言えばこのオーガのベルトは王を」
 木場は今それに気付いた。オーガのベルトはオルフェノクの王を倒せるものでもあったのだ。それまでの三本のベルトと同じく、である。
「ですがそうはいきません」
 村上はそこまで語ったうえで木場に述べる。
「貴方を倒して今度は私が使わせて頂きますからね」
 攻撃がさらに激しくなる。全力を出してきたということだった。
「くっ!」
「さあ、もうすぐ終わりです」
 村上はさらに拳を加えてくる。
「そのベルトが我々の手に戻るのも」
「まだだ」
 しかし木場はここで踏ん張りはじめた。
「俺は負けない。負けるわけにはいかないんだ!」
 剣を抜いた。それで村上に立ち向かう。
「むっ!?」
「オーガの力、人間の為に使わせてもらう!」 
 剣を一閃させた。それがまず村上を退ける。
「むうっ!」
「これで!」
 村上がのけぞった一瞬の隙を逃さない。そのまま攻撃に入る。
 剣から光を出す。今その刃で村上を切り裂いた。
「うおおおおおおおっ!」
 村上を青白い炎が包む。同時にオーガの紋章が現われた。
「くっ、ここまでやるとは」
 村上は人間の姿に戻って木場を見据えてきた。彼はまだ目を死なせてはいない。
「貴方の力かオーガの力か」
「俺の力でもオーガの力でもない」
 木場は村上の言葉に応えて言う。
「これが人間の力だ。オルフェノクの力と同じなんだ」
「人間とオルフェノクは同じですか」
「姿を変えられるだけだ」
 木場はまた言う。
「それだけなんだ。その心は同じなんだから」
「ふふふ、貴方はそういう考えになったのですか」
 村上は彼の言葉に笑う。しかしそれを聞いても木場は動じない。
「だから俺はもう迷わない。結花のことも乾君のことも」
「ならばいいでしょう」
 村上はその言葉を打ち消さなかった。だからといって彼はそれを肯定もしないが。
 
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