X ーthe another storyー
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第十五話 仮住その十三
「わかったわ」
「庚さんもですね」
「そうなったわ」
遊人に微笑んで話した。
「皆いい人達よ」
「全くですね」
「そうね、悪いものは感じなかったわ」
颯姫は淡々と食べつつ述べた、飲む方もそうしている。
「あの人達の誰からもね」
「そうよね」
「全くね、ただ」
庚に無表情のまま述べた。
「敵だから」
「戦うというのね」
「ええ、この地球の為に」
「貴女はそうした考えね」
「そうよ、あの中の誰が死んでも」
天の龍達のというのだ。
「私は何もよ」
「思わないのね」
「悪い人達でなくてもね」
「そうですか、僕はこれが運命だとしても」
遊人は少し悲しそうに微笑んで話した。
「やはり残念にはです」
「思うの」
「どうにも。なる様になるものでも」
それが運命だと考えていてもというのだ。
「しかしです」
「それでもなのね」
「人を。特に嫌いでもない人をそうすることは」
「心が痛むの」
「それは否定出来ません」
「あの、本当にです」
哪吒はカルピスを飲んでまた食べてから言った。
「天の龍の人達とはまだ」
「お話したいのかしら」
「そう思いまして」
こう庚に話した。
「戦うにしても」
「あの人達のことを知りたいのね」
「僕としては」
「そうしたいならいいわ」
庚は止めずに優しい微笑みで答えた。
「貴女がそう思うなら」
「いいんですか」
「ええ、そしてね」
そのうえでというのだ。
「人を知ることよ」
「その為に」
「あの人達とまた会う機会があって」
そうしてというのだ。
「戦いにならないならね」
「そうしてもいいですか」
「ええ、そしてね」
それでというのだ。
「人を知っていくことよ」
「そうですか」
「貴方は紛れもなく人間よ」
哪吒にこのことを保証する様に話した。
「そしてね」
「そのうえで」
「ええ、人間の心を持ってきているから」
「これからもですか」
「人間の心を備える為にね」
「あの人達ともですか」
「会ってね」
そうしてというのだ。
「お話をしていってね」
「敵であっても」
「それでもよ。私は人間は嫌いではないわ」
今度は確かな微笑みで話した。
「そしてあの人達は皆いい人達だから」
「お会いしてお話をしても」
「いいわよ」
「そうなんですか」
「きっと貴方にとって大きな糧になるから」
天の龍達と会って話すことはというのだ。
「戦わない時はね」
「そうしていくことですね」
「ええ、人間の心をもっと備える為にね」
「ならそうしていきます」
「それではね」
「おかしいわね」
颯姫は庚と哪吒の話が一段落ついたところで言ってきた。
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