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仮面ライダーファイズ 小さな星の話

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第三十四章

「観念したということかしら」
 影山はそんな長田を見て笑ってきた。狙いを定めるかのように構えてきた。
「それなら。一撃で楽にしてあげるわ」
 剣を振りかざして突撃して来る。長田はここでその賭けに出た。
「はぁっ!」
 翼を出して飛ぶ。それでまずは影山の剣をかわした。
「なっ!?」
 一閃した剣は虚しく空を切った。慌てて周りを見る。
 見れば長田は上にいた。そこから。弓矢を一斉に放ってきた。
「これで!」
 その弓矢で影山を貫く。乾坤一擲の賭けは何とか成功した。
 三原は澤田との闘いを続けていた。しかし彼ではやはり澤田の相手は辛かったのかまたしても吹き飛ばされてしまった。
「ぐわっ!」
「どうした三原」
 澤田は仰向けに倒れている彼に対して声をかける。
「その程度なのか?」
「まだだっ」
 三原は何とか起き上がる。そのうえで澤田に対して言う。
「御前だけは何があっても!」
「いい覚悟だ」
 そう述べて折り紙を出してきた。それで手の中で燃やす。
「御前もこうして燃やしてやる」
「それだけか?」
 だが三原はその紙を燃やす澤田に対して言う。
「何?」
「それだけかって聞いているんだ」
 また澤田に言い返す。
「御前の言いたいことはそれだけなのか?俺を倒すだけで満足なのか」
「何が言いたい」
「それではいそうですかって納得できると思っているのかよ」
 三原は言う。何とか立ち上がって澤田を見やる。
「それで納得してデルタになれるか!」
「そうか。では見せろ」
 澤田はその三原に言う。
「その納得できないものをな」
 右腕を伸ばしてきた。だがそれをデルタムーバーで狙撃して退ける。
「むっ!?」
「まだだ!」
 それで隙ができたのを見逃さない。三原はここで決着を着けに出た。
「チェック」
 音声入力しポインターモードに変える。それをセットする。
「エクシードチャージ」
 電子音声が聴こえる。それを聴くと跳ぶ。空中で澤田をロックオンし片足でルシファーズハンマーを放った。白い光が矢となり澤田に突き刺さる。
 草加は確かにオルフェノクになっていた。しかしそれでも北崎の相手はかなりの負担であった。
 その攻撃を受けて立ったまま苦悶の声をあげる。何とか立っている有様であった。
「くっ・・・・・・」
「凄いよ、まだ立っているなんて」
 攻撃姿勢を露わにしながら北崎は述べる。
「頑張るねえ。僕こんなに楽しんだのはじめてだよ」
「それでもまだやってやる」
 草加は北崎を見据えて言う。
「御前を倒す・・・・・・!」
「さっきから何回も聴いてるけれどさ」
「何回でも言ってやる」
 草加はそれでも言う。
「御前を倒すまではな!」
「じゃあ見せてよ」
 北崎の言葉が軽いものになった。
「その言葉をさ」
「うおおおおおおっ!」
「ワンパターンだね」
 向かってきた草加を左手で軽く払う。
「その程度じゃ僕は倒せないよ」
「じゃあな」
 草加は倒れながら彼に言う。
「これはどうだっ!」
 倒れる瞬間に両手で地面を撃つ。それで態勢を戻しそのまま北崎に向かう。蹴りとカイザガンの一撃を浴びせる。
「なっ!?」
「これで決めてやる!」
 草加はさらに攻撃を仕掛ける。今の奇襲で態勢を崩した北崎にポインターで照準を合わせる。だがそれは的確に急所を狙っていた。 
 照準はこめかみに当てていた。左側面から奇襲を当てて北崎の右に出ていた。そこから右のこめかみに照準を当てていたのだ。
 態勢を崩した北崎の一瞬の隙をついていた。草加は彼が持っている力の極限まで使ってそこまで手順を踏んでいた。そのうえで彼は最後の勝負に出た。
 跳ぶ。両足でゴルトスマッシュを放とうとする。北崎はまだ態勢を崩している。そこに一撃を浴びせた。
 それは他の三人が攻撃を浴びせたのと同時であった。北崎にはカイザの、澤田にはデルタの紋章が浮かんでいた。北崎、ジェイ、影山には青白い炎が、澤田には赤い炎が浮かんでいた。それはオルフェノクにとって死の証であった。
 四人は一旦人間の姿になった。その姿でそれぞれの相手を見やってきた。
 
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