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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第三百十一話 文化祭 その13

第三百十一話 文化祭 その13
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

K国が軍事利用しているパブリックモンスターであるチュンシクとの戦闘、そして、満身創痍の状態で竹田に頭部を複数回、殴られた影響で暴走してしまった大地の断罪剣士・工藤リンカ。
暴走した工藤リンカから、竹田を守る為に山神ムサシは生命の断罪剣ライフセイバーの第二の力・死を司る漆黒のライフセイバーを発動させてしまう。
生命の断罪剣ライフセイバーは生命を司る断罪剣。
つまり、ライフセイバーは生命を救う力と生命を奪う力を持った断罪剣だったのだ。
断罪剣ライフセイバーの、生命を奪う力に特化した漆黒の断罪剣ライフセイバーの力によって、右手を失った工藤リンカ。
正気を取り戻した工藤リンカは、漆黒の断罪剣ライフセイバーの力の暴走を止めに入った、雷光の断罪剣士フューラーと共に負傷した山神ムサシと風見マイカを肩に担ぎ、校庭に気絶した竹田を一人残してアルティメットメディアクリエイター部の部室に向かうのだった。
アルティメットメディアクリエイター部の部室に入ったリンカとフューラーを待っていたのは、凍結の断罪剣士・色川ヨシノだった。
ヨシノはリンカとフューラーが肩に担いだ、負傷しているムサシとマイカの姿を見て、驚きをあらわにする。
「ちょっとなによコレは!いったい何があったの?」
ヨシノが驚くのも無理はない、PGS(パブリックガーディアンズ)に所属しているリンカと、PGSと冷戦状態にある反政府組織セイバーズのリーダーが、偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園の文化祭で肩を並べているのだから。
そして、なにより、その二人がPGSとセイバーズの両陣営に属していない断罪剣士を肩に担いでいるのだから。
フューラーが説明を始める。
「簡単に説明すれば、山神ムサシのライフセイバーが新たな力に覚醒してしまった、漆黒のライフセイバーの力で死ぬはずだったリンカを、私が助けた、しかしリンカは右腕を無くしてしまった...」
ヨシノはムサシの制服を着ているリンカの右袖から手が出ていないのを確認して、顔を青ざめさせる。
「ムサシ君が...リンカの右腕を切ったってこと?」
「それは違う、ムサシは暴走したリンカから竹田君を助けるために、ライフセイバーの第2の力を覚醒させるしかなかったのだ、彼が自分のためにリンカに右腕を切ったわけじゃない...」
「だったらリンカはこんなところにいちゃダメでしょ!とっとと切り放された右腕を持って病院に行ってきなさいよ!」
ヨシノの指摘に、リンカは首を横に振る。
「私の右腕はもう、この世界には存在しません...」
「どういうこと?」
「漆黒のライフセイバーから放たれた、黒いパブリックブレイカーは触れたもの全てを消滅させる力を持っています...だから私の右腕はもう、この世界に存在しません...」
「触れたもの全てを消滅させる力...それってつまり、ムサシ君がその気になれば、人類も、この世界も、いつ消滅してもおかしくないってこと?」
ヨシノの疑問にリンカが答える。
「その通りです、もう彼をこのまま野放しにはしておけません、私は彼をPGS(パブリックガーディアンズ)の管理下に置くべきだと思っています」
「つまり、私とリンカみたいに、PGSの私兵するってわけ?そんなのムサシ君が了承すると思っているの?」
ヨシノの言葉にフューラーが続ける。
「ヨシノの言うとおりだ、無理やりムサシ君をPGSに入れようとすれば、彼のライフセイバーがまた暴走するかもしれない、そうすれば、この世界は黒のパブリックブレイカーによって人類ごと消滅する可能性がある...」
「なら、山神ムサシを反政府組織セイバーズに入隊させますか?それこそ、先程あなたが指摘した通りの結果を招かざる終えません」
気絶した山神ムサシが目を覚ます。
「俺はPGSにもセイバーズにも入隊するつもりはない...」
リンカがムサシに警告する。
「貴様にそのつもりがなくても、貴様は自分の力をコントロールできていない、となれば、貴様が貴様自身の手で、いつ必ず、貴様の守りたいものを傷つける可能性がある、貴様はそれでもいいのか?」
「貴様、貴様うるせぇな...おかっぱメガネ!いいか、これは警告だ。俺の邪魔をするなら俺が死を司る漆黒のライフセイバーの力で、人類もこの世界も消滅させる、お前たちが俺の邪魔をするなら、PGSだろうとセイバーズだろうと、全部、消滅させる!」
「貴様...自分の信念のために全人類を人質にとるつもりか!」
「ああ、その通りだ、今の俺は全人類を一瞬で消滅させることができる人間爆弾みたいなもんだ!俺を怒らせるってことは全人類が滅亡することと同じだと思え‼」
「山神ムサシ...貴様は独裁者にでもなるつもりか!」
「なってやってもいいぜ、ただ、俺のほうから、この力で独裁者になるつもりはない、ようはお前たちが俺の邪魔をしなければいいだけだ、お前たちが俺を怒らせなければいいだけだ、そして工藤リンカ、次にお前がパブリックモンスターを俺の目の前で処刑しようとしたら、その瞬間がお前の命日だと思え、俺はもう、俺が守りたいものを守る為に手段は選ばない」
「上等だ、山神ムサシ...今の貴様の言葉は貴様自身が全世界の敵になることを意味していると思っていいんだな?」
リンカの言葉を聞いた俺の脳裏にファヨムが死に際に放った言葉がよぎる。
『お前はいずれ、全世界を敵に回すことになる...そう、お前はいつか俺の言う通りに死を選ばなかった己の過ちに後悔する...その様子を俺は、あの世から見物させてもらうぞ...』
ファヨム、あの世から見ているか?どうやらお前の言う通りになりそうだ...。
「そんなことはとっくに想定済みさ、俺の邪魔をするやつは全部、死を司る漆黒の断罪剣ライフセイバーで消滅させるそれだけだ。フューラー、アンタたちセイバーズが無人殺戮兵器を量産して人間と戦争を始めるなら、俺はアンタたちも消滅させる...覚悟しておけ...!」
「了解した...それでは、私は他の出し物の回らせてもらう、どうやら君はまともに戻ったみたいだしね、これ以上、君が破壊神にならないことを祈っているよ...」
フューラーはそう言って、おにぎりカフェを開催しているアルティメットメディアクリエイター部の部室から去っていった。
リンカがヨシノに警告する。
「ヨシノ先輩も、これ以上、山神ムサシに加担するのであれば、PGSの粛正対象になってしまいますよ、身の振り方はちゃんと考えたほうがいいと思います、それでは...」
リンカも部室から去る。
決断を迫られるヨシノ。
そして、全人類の敵となってしまった山神ムサシが一言。
「さぁ、文化祭はまだ始まったばかりだ、2日目に備えて今のうちに準備しておこうぜ」
ヨシノはもう、以前と同じようにムサシと接する自身が持てなくなっていた。

次回予告 文化祭 その14 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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