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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第三百九話 文化祭 その11

第三百九話 文化祭 その11
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

屋上で自らの素性を竹田に明かす、『K国』のテロリスト・チュンシク。
そして、偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園に潜入したPGS(パブリックガーディアンズ)のスパイからの通報を受けて、チュンシクを粛正するために屋上に現れた大地の断罪剣士・工藤リンカ。
そしてチュンシクに襲いかかる工藤リンカの大地の断罪剣ガイアセイバーを山神ムサシの生命の断罪剣ライフセイバーが受け止める。
「なにするんですか!やめてください!」
「また、あなたですか...山神ムサシ...そういえば、先程、殴られた件のお返しをまだできてませんでしたねぇ...」
「ヨシノのメイド服でチャラじゃなかったのかよ...」
大罪を背負いしパブリックモンスターの命をめぐる断罪剣士同士の戦いが、また始まろうとしていた。
チュンシクが人間離れした脚力でジャンプ、屋上のフェンスを飛び越え、校庭に向かってダイブする。
「なるほど、一般人を巻き込まないために、戦う場所を変えるつもりですか...それなら私にとっても好都合ですね...」
リンカはチュンシクを追って、屋上から校庭にダイブする。
大地の断罪剣ガイアセイバーの能力により、校庭の土を足場に変化させてリンカがチュンシクの追跡を始める。
俺もリンカを止めるために、リンカが土で作った階段を駆け下りる。
校庭に着地したチュンシクの姿が3体に分裂する。
そう、チュンシクの能力は、コードネームのその名の通り『増殖』である。
『K国』の言葉で『増殖』を意味するチュンシク3体が拳と蹴りでリンカが土で作った足場を破壊する。
空中に放り出される俺とリンカ。
しかし、リンカは逆さの状態で落下しながら、真顔でチュンシクに告げる。
「校庭から、土や石が豊富な校庭に戦いの場を変えた時点であなたの負けですよ」
リンカの大地の断罪剣ガイアセイバーの能力により、校庭の土や石が巨大な3体の竜となって、三つに増殖したチュンシクに襲いかかる。
三体の竜が三つに増殖したチュンシクを嚙み殺す。
しかし、血飛沫は見えない。
4体目のチュンシクがリンカの背中を蹴り飛ばす。
そして、落下するリンカを校庭の地面で待っていたのは5体目のチュンシクだった。
リンカは瞬時に校庭の土と石を石壁にして自分の全身を包む。
しかし、土と石のバリアを張ったリンカの超至近距離にいた6人目のチュンシクの拳が石壁を貫通して、リンカを地面に叩きつける。
「強い...土と石が豊富な校庭で、あのリンカを追い詰めている...」
増殖能力を解いたチュンシクが地面に仰向けにに倒れたリンカの胸倉をつかむ。
「なによ、カルのやつは、こんなザコに負けたの?」
チュンシクに煽られたリンカの口角が上る。
リンカがチュンシクの足元を、陥没させて、落とし穴を作る。
チュンシクが底深い落とし穴に落下する。
「言ったはずですよ、土や石が豊富な校庭に戦いの場を変えた時点であなたの負けだと...」
「あっそ」
再び増殖能力を発動するチュンシク、2体目のチュンシクの蹴りがリンカの後頭部に直撃する。
地面うつむけに倒れ、体を何度も痙攣させるリンカ。
まずい、このままだと、リンカが殺されてしまう。
チュンシクに足場を破壊され、大木に緊急着陸した俺は、急いで木を降りてリンカのもとへ向かう。
増殖能力により、5体に増殖したチュンシクが、瀕死状態のリンカを囲む。
大地の断罪剣ガイアセイバーの力で作られた土と石できた石壁を貫通した、あのチュンシクの拳、5人分が瀕死状態のリンカに襲いかかる。
「パァァァブリィィックゥゥッ!ブレイカァァァァァァァァァーッ‼」
パブリックモンスターを人間に戻すパブリックブレイカー↓チュンシクに向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑の直撃を受けたチュンシクの体から増殖能力が消えていく。

5体から1体に減った己の体の異変にチュンシクが驚愕している。
「能力が消えた...」
そして、地面に倒れ伏したリンカの断罪剣ガイアセイバーの切っ先がチュンシクの腹部を貫いていた。
「ごふっ...」
吐血するチュンシクを見上げて、にやりと笑う工藤リンカ。
「ナイスアシストです...山神ムサシ...」
「工藤リンカ...貴様ァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
怒りに我を忘れ激高した山神ムサシの生命の断罪剣ライフセイバーが地面にうつむけに倒れている工藤リンカの首元に向かって振り下ろされる。
しかし次の瞬間、俺の体は突如出現した竜巻によって、大木の幹に叩きつけられていた。
そう、竜巻の正体は風見マイカの疾風の断罪剣フーガセイバーの『パブリックハリケーン』だった。
部長が止めてくれなければ、俺はリンカを確実に殺していた...。
校舎から上履きのまま、竹田と部長がこっちに向かって走ってくる、副部長は知らん。
部長が俺の頬をグーで殴る。
「アンタ、さっき本気でリンカを殺すつもりだったでしょ!」
「でも、俺がリンカを助けるために、チュンシクから能力を奪ったせいで、チュンシクはリンカに殺されてしまった...俺はまた、守れなかった...」
竹田が真剣な表情で俺に告げる。
「山神...お前は悪くねぇよ...悪いのは...」
竹田が腹部から大量出血しているチュンシクのもとに歩いていく。
「竹田君...ケガしてない?」
「俺のケガの心配してる場合かよ...こんなに腹から血を流して...どうして俺なんかのために...」
「だって、お金で...雇われた...とはいえ...私...竹田君の...カノ...ジョ...だ...か...ら...」
そう、チュンシクが屋上から校庭に戦いの場所を変えたのは全て、リンカとの戦いに竹田を巻き込まないためだったのだ。
そして、その優しさが今の事態を招いたのだ。
チュンシクのまぶたは開いたまま、閉じない。
チュンシクの死亡を確認した竹田は満身創痍のリンカに馬乗りになる。
竹田が両拳でリンカの顔面を何度も殴る。
リンカが断罪剣を持っていないほうの手で竹田の腹部を殴る。
竹田の全身がふっとばされ、校庭を2回、転がる。
満身創痍のリンカが断罪剣ガイアセイバーを杖代わりにして立ち上がる。
何度も頭部を殴られたショックで我を忘れたリンカが、地面に仰向けに倒れている竹田に向かってガイアセイバーを振り下ろす。
すぐに部長が疾風の断罪剣フーガセイバーで竹田に向かって振り下ろされたガイアセイバーを受け止める。
「アンタ正気なの?相手は竹田君だけど、一応人間なのよ!」
「アイツは私を本気で殺そうとした...処刑する...」
(まずい、頭部の損傷で錯乱状態になってる...)
リンカの蹴りが部長の腹部に直撃する。
気絶する部長。
そして、俺は俺自身の体を駆け巡るリンカへの強烈な殺意と戦っていた。
しかし、今の俺の実力では確実に竹田を暴走したリンカから守ることはできない。
でもレオンやカルの時みたいに、後悔するのはもう嫌だ。
俺の脳内にあの声が何度も何度も繰り返される。
『さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...』
これ以上、いったい、なにをぬけばいいんだよ。
しかし、俺の全身を駆け巡るリンカへの殺意は止まらない。
俺の右手は無意識のまま、断罪剣ライフセイバーの刀身をつかんでいた。
そして、ライフセイバーの刀身がスライドする。
ライフセイバーの振るい刀身を抜き捨てると、漆黒の刀身が現れる。
「黒い...ライフセイバー...」
その黒い刀身を視界に入れた瞬間、俺の脳内に新たなライフセイバーの能力について情報が流れ込んでくる。
「そうか...生命を司る断罪剣・ライフセイバー...生命を司るということは、すなわち、人の命を救うだけでなく、奪うこともできる...つまり、黒いライフセイバーの能力は全ての生命に死を与える力...!死を司る漆黒のライフセイバー...‼」
ファヨムが死に際に言った。
俺の存在そのものが、いつか、全ての世界を敵に回すと。
つまり、こういうことだったんだな...。
でも、暴走したリンカから竹田を救うには、もう、これしかないんだ‼
「パァァァブリィィックゥゥッ!ブレイカァァァァァァァァァーッ‼」
死の断罪剣士と化した俺は竹田の命を救うために、暴走状態のリンカに向かって漆黒のパブリックブレイカー↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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次回予告 文化祭 その12 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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