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仮面ライダーファイズ 小さな星の話

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第三十二章

「それにな。こいつには借りがあるんだ」
 流星塾の同窓会からの北崎との因縁。彼はそれを忘れたことはない。
「だからな。こいつは俺が倒す」
 腕にブレイガンを左手に逆手に持つ。それを手に北崎と対峙する。
「御前等は御前等の相手をしろ」
 彼はそう三原達に言う。
「こいつは俺が何があっても倒す、いいな」
「わかった」
 三原はそれに頷く。そのうえであらためて澤田を見据えた。
「やっぱり御前は俺の手で決着をつけてやる」
「いいんだな、それで」
 澤田も引きはしない。三原を前にしてその単眼を光らせていた。
「最も最初から容赦はしないがな」
「そうだな。御前はもう完全にオルフェノクになった」
 三原はそれがわかっている。だからこそ澤田を前にしても逃げなかった。彼も今流星塾の因縁を終わらせる為に戦っていた。
「ちぃっ」
 乾はレオと戦っている。しかし彼も劣勢は隠せなかった。
 空を飛ぶサイガはそれだけで圧倒的な力を持っていた。上から攻撃ポジションを有利に取りそこから思うままに攻撃を浴びせてくるのだ。乾はオートバジンの援護も受けているがそれでも限界があった。
「御前、弱イノカ?」
 レオは上から彼に声をかけている。声は笑っていた。
「ファイズノ力。ソノ程度ナノカ?」
「その程度っていうのがどの程度かわからねえがな」
 乾は上にいるレオを見据えて言う。
「御前の力、それだけで勝てると思うんじゃねえぞ」
「デハドウスルツモリダ?」
 レオは上から彼に問う。
「見せてやるさ、もうすぐな」
「デハ見セテモラウカ」
 レオの余裕のある声は変わらない。
「御前ノソレヲナ」
 乾は上を見据えている。しかし劣勢は誰の目にも明らかであった。
 しかもだ。後ろには村上がいた。彼がいるということが乾達には負担に、レオ達には余裕となって出て来ていたのだ。
「ふふふ、私の相手はいませんか」
 人間の姿のまま余裕を見せていた。
「それはどうにも。退屈ですね」
「すぐに退屈じゃなくしてやるぜ」
 海堂が彼に対して言う。
「すぐにな」
「そのわりには劣勢ね」
 影山はその彼に対して笑う。
「海堂君、まだ甘いわね」
「甘いのは認めるけれどな」
 海堂も述べる。
「それでも御前等を倒す位はできるぜ」
「おやおや、私の相手をして頂くと」 
 村上は海堂のその言葉を聞いて笑う。
「それは面白い。では是非」
「くそっ、舐めやがって」
 海堂は村上の今の言葉に笑う。高みからの笑みであった。
「今に見ていやがれ」
「いや、君が見るのは違うものだ」
 違う声が聞こえてきた。
「何っ」
「その声は」
 海堂と長田がその声に気付く。後ろから木場が姿を現わした。
「木場!?」
「木場さん」
「俺、あれから色々と考えたよ」
 木場は二人の方を見て微笑んでいた。その右手には黒い携帯がある。
「それで決めたんだ。俺は戦う」
「ほう、では誰と戦われるのですか?」
 村上はその彼に対して問う。
「それが問題なのですがね」
「それを決めたんだ」
 木場はその言葉に対して答える。
「俺は戦う。人間として、そして・・・・・・」
 右手の携帯を入力する。そして今。
「オーガとして!」
 村上を見据える。彼は叫んだ。
「変身!」
 腰にセットする。黄金色の光に包まれ彼は漆黒のライダー、オーガとなったのであった。
 
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