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【魔法少女リリカルなのは】魔導師を辞めた高町家の男

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第七話 え!?パパが盗られちゃう!?こうなったら……byなのは

 
前書き
ここで一つ、アットノベルスから転載してきた理由を言いますね。
実は、何故かは知らないのですが『サーバーエラー』ばかり出て、何度修正してもダメだったので暁さんに転載いたしました。一応、時たまにアットノベルスに入れるのですが、すぐにエラーが出てしまって碌に作業できません(泣)。

暁にもファンの方がいらっしゃっただけで嬉しいです!
これからも、魔導師を辞めた高町家の男をお楽しみにください。

すべては、にじファンがサービス終了してから可笑しくなった……(笑)

なのは暴走、始まります。

ふぇぇえ!?暴走!? byなのは 

 
 と、言う事で翌日。
 
 俺は今までと同じように朝早くに起きて店の準備をしてから三人分の朝食を作り、2階のリビングのテーブルに並べておく。

 それから一階に降り、店の中を掃除して在庫チェックを済まし、在庫補給のためにパソコンでいつもお世話になっている食品会社に注文しておく。

 今は、ケーキを作っている真っ最中だ。

 昨日の晩はいろいろあって何も今日の準備をしていなかったために開店までの時間がちょっと足りないかもしれない。

 ケーキの生地にクリームを付けてイチゴを乗せて次の生地にも同じ様にしていく作業だ。

 生地作りは、時間がかかるため朝一番からやっておいて正解だった。

 タルトも完成しており、同じように作業していくだけだ。

 ふと、昨日のリンディを思い出す。


「……あっ」


 今までに見た事のないリンディの笑顔を思い出し、手が震えてクリームがはみ出てしまった。

 勿体ない事をしてしまった。
 仕方ないので、これはボツとして朝ごはんと一緒になのはかリンディに食べさせてあげよう。

 それなら二人分作っておいた方が良いかもな。

 イチゴのショートケーキを二人分作り、冷蔵庫に仕舞っておく。

 後は同じ作業の連続で、2時間くらいあれば開店までに間に合うだろう。

 休憩なしでやるともう少し早くできそうだが、ケーキの出来が悪くなる方がダメなので休憩はする。


「すっごい……」


 厨房から二階へと登る階段からリンディの声が聞こえてきてそちらを振り向かずに作業を進める。


「凄いだろう?この量をいつも一人で作ってるんだ」


 出来上がったケーキを置いてある調理台を見ているリンディに話す。

 リンディは「どれも美味しそう♪」と喜ばしい感想をくれた。

 タルトを後10個程作り、後はチョコクリームのケーキとチーズケーキ等のケーキ類のメニューを作っていけば完成だ。


「私も手伝おうか?」


 リンディがいつの間にか俺の隣に来て、作っているタルトを見ていた。
 ちょっとびっくりしたのは秘密だ。


「助かる。じゃあ、休憩室にエプロンがあるから着けてきて。それと、三角布巾もあるから頭に巻いておいてくれよ」

「はーい」

 
 リンディはそのまま休憩室に入って行き、エプロンを着けて戻ってきた。

 調理台の上に置いてあるケーキを冷蔵庫に入れると言う作業だけでもこちらは助かるのでありがたい。

 一度リンディの方を見てみると、楽しそうにケーキを見つめながら冷蔵庫へと運んでいる。
 そんなリンディを見て、良いなと思った。

 昨日の告白は嘘ではなかった。

 あんな真剣なリンディは初めてで最初は焦ったが、今ではもう大丈夫だ。
 俺もリンディの事が好きだ。

 クライドと付き合い始めてからは諦めたが、こうしてまた好きになれた事が嬉しかった。

 それと、リンディにはなのはの事を知っている数少ない知り合いで、俺はリンディを信頼しているからこそ全てを話した。


「パパぁ?」


 とと、ここで我がお姫様のご登場だ。
 なのはは眠たそうに眼を擦りながら厨房へと降りてきた。

 リンディもなのはに気付き、なのはの下へと寄って行った。


「おはよう、なのはちゃん」

「うん、おはようなの」


 こう見てると、親子の様に見えるのはきっと俺だけだろう。
 本当に親子になってくれると、なのはも嬉しいかな?

 ちょっと心配だ。

 なのはがリンディの事を受け入れてくれるかどうかが。


「なのは、上で顔を洗っておいで、それから一緒に朝ごはんを食べよう」

「わかったの♪洗ってくる♪」


 楽しそうに走って階段を上って行くなのは。
 転ばないか心配である。

 リンディは此方を見ながらクスクスと笑っている。


「何か可笑しな事言ったか?」

 
 どこも可笑しな事なかったよな?


「そうじゃなくて、本当に親子みたいでいっつも仲が良いわよね貴方達」

「親子だよ。なのはの父親は俺だ」

「ふふふふ」


 笑うのを止めないリンディ。
 どうせ、親馬鹿だとか考えているのだろう。

 俺は、なのはが成長するまで親馬鹿で居続けてやる。


「ねぇ、ほんとに話すの?昨日の事」


 リンディが俺の隣に来て、話してくる。

 
「あぁ、なのははなんて言うかは判らないが、俺はリンディと一緒にいたいからな」


 あぁ、もう恥ずかしい!!

 これからはあんまりこう言うの言わないでおこう。
 恥ずかしすぎて死ねそうだ。


「ぁ……え、えっと……ありがとう」


 顔を真っ赤にさせたリンディが身体をクネクネさせる。
 それが面白くて、リンディの頭に手を伸ばして撫でた。

 すると、茹でダコみたいに真っ赤になった。


「ははは、これは傑作だ」

 
 と、笑ってやると。
 リンディは怒ってはいないが、此方を睨みつけてくる。

 そんな事もやって、俺とリンディはある程度終わらせると上へと登り、リビングのテーブルの椅子に腰を下ろした。

 キッチンの冷蔵庫から紅茶を持ってきて、みんなのコップに淹れていく。

 今日の朝のメニューはポテトサラダとミネストローネだ。
 ミネストローネは昨日の夕飯の残りものだが、朝に丁度いいので食べる事にした。

 
「いただきます」

「いただきます♪」

「いっただっきまーす♪」

 
 みんなで合掌して料理に感謝の気持ちを込めて食した。

 
「美味しい!隼人の作る料理ってどれも良いわね」

「パパはレストランのシェフにも負けないの!」

「ほんと?それは凄いわね」


 なのはとリンディが美味しそうに朝ごはんを食べているところを見ているだけで俺の心が満腹になってゆく。

 ていうか、この二人かなり仲が良いのな。意外だわ。

 じゃあ、そろそろ良いかな。

 俺は決心し、リンディに念話を送る。


「(今から言うよ)」

「(えぇ、上手くいくと良いわね)」


 何か悪い事する二人みたいになっているが、気にしたら負けって事で良いかな。

 とりあえず、なのはが朝ごはんを食べ終わると同時に話をした。


「なのは、ちょっと良いか?」

「なぁに?パパ」

「あのな、俺がもし他の女の人と結婚するとしたら、なのははどう思う?」


 なのはがピクリと動かなくなった。

 何に反応しているのかはすぐにわかった。


「もしかして、リンディさんと結婚するの?」

「するとしたら、なのははリンディをお母さんだと思ってくれるか?」


 なのはは椅子に座った状態で下に俯いた。
 その様子を見たリンディはなのはに手を伸ばそうとした時、


「ぃ……ゃ………ぃ……ゃ………」


 小さな声がなのはから聞こえて、リンディの手が止まる。


「いや!!」


 すると、叫ぶように否定するなのは。
 それを見たリンディはなのはを落ち着かせようとするが、無駄だった。

 
「嫌だよ!パパが盗られちゃう……そんなの、嫌だよ!!」

「なのは……」

「パパだってママが居ないの寂しいと思うの。でも、結婚したら私の事いらなくなっちゃうんじゃないの?」

「そんなわけない。俺は今まで以上になのはが必要になる」

「違うもん!!」


 なのはの叫びが、高町家に響く。
 
 俺でも、なのはがこんな事を考えてたなんて思ってもいなかった。


「私は、パパだけ居てくれればそれで良いの!!」

 
 目から涙を零しながら、訴え続けるなのは。


「パパが居れば何もいらない!だから、パパが盗られるなんて絶対にイヤなの!」

 
 なのはの想いが直接俺の胸に響く。
 
 俺がなのはが好きと同じようになのはも俺の事が好きなんだ。

 だから、誰かにとられるのが嫌なんだ。

 俺と同じだ。
 俺もリンディとクライドが付き合い始めた時はそんな事を思っていた。

 二人の邪魔をしないためにも後を引いたが……。

 だから、なのはの気持ちが分かるような気がする。


「私を見てくれないパパなんて大嫌い!!」

「見ないなんて事はない。俺はなのはも好きなんだ」

「いやいやいやいや!!大っ嫌い!!パパなんて」


 なのはが俺に何かを言う前に、リンディがなのはの頬を叩いた。

 それからそっと、なのはを抱きしめた。

 なのはは混乱しており、今の状態では碌に話も出来ない状態だった。


「落ち着いて、なのは」


 リンディが優しく名前を呼ぶ。もう、他人ではなく、家族かの様に話をする。

 
「ごめんさい。でも、これだけは言わせてね」


 リンディはなのはを抱き寄せて、自分の身体でなのはを包むように優しく抱いた。

 すると、なのはも少しは落ち着いたらしく、話を聞くようにはなった。

 ここで一言、女ってスゲー。


「私となのはのパパは結婚するの、絶対にね」


 絶対なんですね。
 俺が話してた、もしもの話が崩れ去ったみたいです。

 
「だから、勝負しましょ」

「勝負?」


 勝負?
 っておい、相手は5歳で貴女は大人の30歳でしょうが!

 
「(言っとくけど、念話で聞こえてるから)」

「(サーセン)」


 なのはは不思議そうな顔をしている。


「そう、どちらがパパに相応しいかよ」


 リンディはなのはを自分と目が合うように、じっとなのはを見つめた。

 なのはもリンディの事を見つめている。


「わかったの!絶対勝つの!」

「ふふ、私も負けないわよ」


 え?

 さっきまでの空気どこ行った?
 暗い空気が行方不明に!?

 と、先程までの家の空気がなくなり、二人の熱く燃える空気だけがあった。


「でも、パパに嫌いって言った事を謝りなさい」


 ちょっと怒った表情でなのはに強く言うリンディ。

 なのはは、此方に向いて頭をぺこりと下げた。


「パパ、嫌いなんて言ってごめんさい。私は、パパが世界で一番大好きなの!!」

 
 そう言って、俺の胸に飛び込んできた。

 何が起こったのか詳しく分からないが、解決したと見れば良いのだな。


「俺もなのはが大好きだ」


 なのはの頭を優しく撫でてやる。
 いつも通りに、「にゃふふぅ」と気持ち良さそうにクネクネするなのは。

 見てると何だか笑えてくる。

 リンディも流石に笑っている。


「で、隼人は私の事、どう思ってるのかしら?」

「世界で一番、俺の料理をずっと食べさせたい人」


 そう言うとリンディは嬉しそうに笑うと朝ごはんの続きを開始した。

 
 午前中から忙しかったが、何とか今日を乗り越えられた。

 本日は、休日だったので店に来る客が多く、ウェイトレスとしてリンディが働いてくれた。
 別に休暇の真っ最中なんだから休んでいてくれればいいのに。

 本人は、早めにこの仕事に慣れておきたいとの強い願望であった。

 なのはもリンディに負けないように必死で、俺の作るケーキを真似して厨房で必死にケーキを作っていた。

 出来あがったケーキをなのはに見せられて、クリームが多すぎて生地が見えないイチゴケーキを食べたが美味しかったので褒めてやった。


「お、上手いじゃないか。翠屋の二代目はなのはに決定かな?」

「違うよー、パパ。私とパパの子供が二代目だよ?」


 ははは、パパ苦笑い。

 リンディの目が怖い。
 何だよ、そのゴミを見るような眼は。


 それからも仕事は大忙しで、いつもより客が多くなのはもリンディもヘトヘトになっていた。

 俺が二人に朝作っておいたケーキを持っていき食べさせた。


「はい、手伝ってくれたご褒美。ありがとう」

「え、えぇ。どう致しまして」

「はぅ、パパ、撫でて撫でて!!」

「よかろう、ほれほれ」


 撫でるのではなく、ほっぺをプニプニした。
 最近ではこれがやりたくて堪らなかった。

 なのははくすぐったいのか、きゃははと笑って悶えていた。

 リンディは頬を染めながら、俺たちの事を見つめていた。



 夜になると、リンディとのお別れ会を開いた。

 まぁ、また意地でも来るらしいが、家族そろってのパーティーはきっと楽しいと俺が言ってみんな賛成してくれた。


「と言う事で、おめでとー!!」

「え?何がめでたいのか分からないのだが?」

「え?何何?面白い事?」


 俺となのははリンディに詰め寄る。
 リンディは嬉しそうに口を開いた。


「そりゃ、私と隼人が結婚するからでしょ?」


 ガタタタタ、バタン!と椅子を後ろに蹴飛ばす様に立った俺となのは。

 まだ、結婚するとは一言も言ってないのだが?
 何時の間にそこまで話が進んでたんだ?


「ちょっとまったー!まだ、パパが結婚なんて早すぎるなの!せめて、私が18歳になるまでダメなの!!」

「良いじゃない♪愛と言う物は、自由なのよ」

「じゃあ、私もパパと結婚するー!」

「それは駄目よ!」

「ふぇええ!?どうして!?」

「なのはが隼人と結婚したら、隼人は犯罪者よ?」

「ど、どうしてなの?何か悪い事したの?」

「えぇ、最低の事をね……社会的に殺されるわ」

「大丈夫なの♪そんな事になったら魔法の力で全部消すの!!」

「……。」(うおー、ステーキうめぇ)


 ていうか、魔法の事しってるのでは?なのはさん。

 え?言ったの?っていう顔を俺に向けてくるリンディに首を横に振っておく。
 んなわけ、ないない。

 ていうか、出来ればあんまり魔法に関わると危ないし、俺が。


「そ、そうね……その時は私も協力するわ」

「(なのはを止めるって意味で俺に協力だろ?)」

「(なのはの加勢よ?)」

「(俺、死亡フラグ立った!?)」




 とまぁ、楽しい楽しいパーティーが終わると、なのはとリンディが一緒に風呂に入っている間に食器を洗う。

 洗い終わると、すぐに一階の厨房へと降りて、明日の店の準備をする。




 なのは達が出てきた頃にはある程度終わって、パジャマを着たり髪の毛を乾かしている間に明日の準備は終わった。

 二階に上がって来ると、楽しそうになのはの髪の毛で遊んでいるリンディがいた。


「ねぇ、パパ見て!凄いでしょ!!」

「あ、あぁ。可愛いな」


 ウルトラマンを想像させるような髪型だったとだけ言っておこう。
 後は想像にお任せしたい。

 その後で俺も風呂に入り、パジャマに着替えるとみんなで一緒にデザートを食べた。

 歯磨きをして、みんなで眠る事にした。

 なのはが、3人で寝たいと言って、リンディもそれに賛成で俺も賛成した。

 俺のベットでなのはを真ん中に3人で手を繋いで川の字で眠る。


「なのは、本当に良い子ね」

「当たり前だろう、誰がこれまで育ててきたと思ってるんだ?」


 なのはが眠った後、リンディと一緒に三階のベランダで二人で深夜の星空を観察していた。


「うぅ、寒い」

「そうだな、ちょっと冷えるな」

「ねぇ、ちょっとだけ顔をこっちに向けてくれない?」

「あぁ」


 そう言って、リンディの顔を見ようとするとリンディの顔が目の前にあった。

 リンディはそのまま止まらずに俺に顔を近づけてくる。
 そして、唇と唇が触れる。

 一瞬で身体が熱くなるのを感じた。

 何秒かキスをしていると、リンディから離れた。


「ふふふ、久しぶりよね、二人っきりでこうやって夜空を見るのって」

「そうだな。昔は、よく空の下で一緒に寝たな」

「あの時は楽しかった。嬉しかった」

「あぁ、俺もだ」

「でも、今はそれ以上に最高に幸せよ」

「これから、もっと幸せになるよ」


 それから俺たちは再び抱き合う。
 そして、唇をまた触れさせる。

 すると、リンディの手が俺の下部に触れてきた。

 そこで、俺は正気に戻る。


「待った」


 ふぅ、危うく理性が飛ぶところだった。


「何で止めるのよ」

「まだこれは早い。お前にはまだやる事があるだろう?」


 リンディはその言葉を聞くと、正気に戻ったらしい。

 
「えぇ、ごめんなさい。その場の空気に流されたわ」


 顔を真っ赤にさせながら、恥ずかしそうに話すリンディの頭を撫でる。
 
 
「向こうでもがんばれよ。応援してるからな」

「えぇ、ありがとう」


 そして俺たちはなのはの眠っているベットに戻り、3人一緒に眠った。





 この時から、3人の間には強い愛で固定された。






 
 

 
後書き
えっと、主人公紹介しよう!!

主人公、隼人がケガをしたのはミッドで暴走したロストロギアを封印する時に負ったものです。
完全回復の見込みはなく、心臓へのダメージを与えているという過酷な事もある。
そのために、本編で何度か薬を飲む隼人の姿がありました。

隼人の過去の話を書くのはだいぶ後になってしまいそうなので、先に言っておきます。すいません。


だが、俺はこうやってなのは達を見守り続けてやる。 by隼人

隼人ェ……。 by作者


お読みいただき、ありがとうございました。 
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