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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その十八

「ですから」
「軍隊に入られる」
「そうされますか」
「あの方は」
「連合に入られれば、そして」
 八条はさらに話した。
「入られる軍は義勇軍です」
「難民達から構成されるあの軍ですか」
「あの軍に入隊されますか」
「そうなりますか」
「おそらく。軍隊は」
 この組織はというと。
「連合では大きく分けて二つありますね」
「中央政府軍と各国軍ですね」
「この二つの系統がありますね」
「我々は中央政府軍ですが」
「各国も軍隊を持っています」
「そうです、各国の治安維持や災害救助が目的で」 
 それでというのだ。
「その数はそれぞれ少ないですが」
「多くて艦隊で十個艦隊程です」
「実際は艦隊規模の戦力もない国も多いです」
「言うなら連合の予備戦力で」
「各国のみを守る軍です」
「その各国軍と中央政府軍の二系統ですが」
 八条は将官達に話した。
「各国軍に入隊出来るのは各国の市民だけです」
「左様ですね」
「中央政府軍は連合各国の市民なら誰でも入隊出来ます」
「士官学校も入学出来ます」
 こちらは願書さえ出せばだ、かつてのアメリカの各軍の士官学校の様に知事や連邦政府議員の推薦状が必要だということもない。試験に合格すれば誰でも入学出来る。
「連合市民なら」
「それが可能です」
「そうです、そして」
 八条はさらに話した。
「中央政府軍には今お話している軍以外の軍も存在します」
「今話しているのは正規軍です」
「我々です」
「ですが義勇軍も存在します」
「あちらの軍隊も」
「元々サハラからの難民達で編成されていて」
 そしてというのだ。
「今後はです」
「エウロパ市民以外は入隊出来ますね」
「その様になりますね」
「サハラ市民もマウリア市民も入隊出来る」
「そしてこれまでの難民も」
「亡命者も」
「アッディーン大統領が敗れ」
 八条はあらためて彼のことを話した。
「連合に亡命されたなら」
「義勇軍ですか」
「あの軍に入隊されますか」
「そしてそのうえで、ですね」
「あの軍の中で生きられますか」
「そうかと。政治家としても優れた方ですが」
 アッディーン、彼はというと。
「その本質はです」
「軍人ですね」
「まさに生粋の」
「そうした方ですね」
「はい、ですから」
 それ故にというのだ。
「あの方はです」
「連合に来られるなら」
「義勇軍に入られ」
「そこで生きられますか」
「一軍人として」
 その立場でというのだ。 
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